おみくじの種類一覧——吉凶は何段階?「大大吉」「平(たいら)」とは
- 吉凶の種類も順番も社寺ごとに違う——神社本庁も「その種類や順番は神社によってさまざま」と説明しています
- よく見かけるのは7段階。半吉・末小吉・平など、さらに細かい段階を用意している社寺もあります
- 吉凶そのものがないおみくじもあります(明治神宮の「大御心」は和歌が本体)
- 「平(たいら)」は凶ではなく、平穏を表す相とされています
おみくじを開いて「大吉」「末吉」——ここまではおなじみです。ところが社寺によっては、「半吉」「末小吉」「平(たいら)」といった見慣れない文字が出てくることがあります。実はおみくじの吉凶に、全国共通の決まりはありません。この記事では、吉凶にどんな種類があるのか、そしてなぜ社寺ごとに違うのかを、公式に確認できる範囲で整理します。
- 吉凶の種類は社寺ごとに違うということ
- よく見かける7段階の顔ぶれ
- 段階が細かいおみくじ(半吉・平・大大吉など)
- 吉凶のないおみくじがある理由
- 吉凶以外の「おみくじの種類」
- おみくじは誰が作っているのか
まず前提——吉凶の種類は社寺ごとに違う
神社本庁の公式サイト「おみくじ」の頁では、おみくじの内容について「大吉・吉・中吉・小吉・末吉・凶という吉凶判断」があると紹介したうえで、「その種類や順番は神社によってさまざま」と明記されています。同じ頁には「種類もいろいろとあり、神社ごとに工夫も見られます」ともあります。
つまり「全国の神社で吉凶が統一されている」という前提そのものが成り立ちません。段階が多い社寺も少ない社寺もありますが、その理由をはっきり公表しているところは多くありません。
「◯段階が正解」という基準はありません。手元のおみくじに書かれている段階が、その社寺での正解です。
よく見かける7段階
もっとも目にする機会が多いのは、次の7つを使う構成です。
| 吉凶 | 読み | ざっくりした受け取り方 |
|---|---|---|
| 大吉 | だいきち | 運気が満ちている。おごらないことが条件 |
| 中吉 | ちゅうきち | おおむね良い。落ち着いて進められる |
| 小吉 | しょうきち | 小さな良いことが積み重なる相 |
| 吉 | きち | 良い。派手さはないが堅実 |
| 末吉 | すえきち | 今はまだでも、これから伸びる |
| 凶 | きょう | 注意を促す気づきのサイン |
| 大凶 | だいきょう | とくに慎重に。底なら上がるだけとも読む |
ただし、この7つの並び順は資料によっても分かれます。国立国会図書館のレファレンス協同データベースに登録された事例では、『ニッポンのおみくじ』(鏑木麻矢著)から「吉凶の順は基本的に2パターン」として、「大吉>吉>中吉>小吉>末吉>凶>大凶」と「大吉>中吉>小吉>吉>末吉>凶>大凶」の2通りが紹介されています。順番そのものの話は、別記事にまとめています。
段階が細かいおみくじ
古いおみくじの七段階
同じレファレンス事例で紹介されている『一番大吉!』(中村公一著)によると、元三大師(がんざんだいし)の観音籤における吉凶判定は、ふつう次の七段階だとされています。
| 観音籤の段階 | 格付け |
|---|---|
| 大吉 | 上上 |
| 吉 | 上 |
| 小吉 | 上の下 |
| 半吉 | 中の上 |
| 末吉 | 中 |
| 末小吉 | 中の次 |
| 凶 | 下 |
同じ「七段階」でも、現在よく見る7段階とは顔ぶれが違います。中吉・大凶がなく、代わりに半吉・末小吉が入っているのが特徴です。半吉や末小吉に戸惑うのは、この古い並びの名残に出会っているからだと考えると腑に落ちます。
見慣れない吉凶の言葉
おみくじで出会うことのある、あまり見かけない吉凶を並べます。すべての社寺にあるわけではありません。
| 言葉 | 読み | 一般に言われている意味 |
|---|---|---|
| 平 | たいら | 良くも悪くもない「平穏」。凶ではないとされる |
| 半吉 | はんきち | 吉のうち、控えめな段階 |
| 末小吉 | すえしょうきち | 吉の中でもさらに細分化された段階 |
| 小凶・半凶・末凶 | しょうきょう・はんきょう・すえきょう | 凶を細かく分けたもの |
| 大大吉 | だいだいきち | 大吉のさらに上に置かれるレアな吉凶 |
| 向大吉 | むこうだいきち | これから大吉に向かっていく、という読み方 |
| 凶後吉 | きょうのちきち | いまは凶でも、後に吉へ転じるという読み方 |
「平」を漢字の見た目から凶の一種だと思ってしまう人が少なくありません。平は平穏を表す相とされ、悪い知らせではありません。
また、「◯◯神社は◯段階」という一覧をネットでよく見かけますが、段階の内訳を公式に公開している社寺は多くありません。当記事では、公式サイトなどで確認できたものだけを個別に挙げています。
吉凶のないおみくじもある
おみくじ=吉凶、とは限りません。明治神宮のおみくじ「大御心(おおみごころ)」には吉凶がありません。理由は明治神宮の公式サイトの「よくある質問」に詳しく書かれています。
それによると、明治神宮は戦前は国家の管理下にあっておみくじを出しておらず、戦後に一宗教法人となってから授与することになったそうです。そのとき「一般神社で出している普通のありふれたおみくじではなく、明治神宮にふさわしい何か独特のおみくじはないか」と考え、当時の総代であった國學院大學教授・宮地直一氏の助言を受けて、吉凶ではなく御祭神ゆかりの御製(明治天皇の和歌)・御歌(昭憲皇太后の和歌)を用いることにした、と説明されています。
同ページによれば、明治天皇と昭憲皇太后が残された膨大な歌のうち、教訓的なものを15首ずつ合計30首選び、解説文を添えて昭和22年の正月から授与を始めたとのことです。昭和43年からは「英文おみくじ」も始まっています。
吉凶のないおみくじは「当たり外れ」がありません。書かれた歌と解説を持ち帰って読むこと自体が目的になっています。おみくじの本体は吉凶ではなく本文だ、という考え方がよくわかる例です。
吉凶以外の「おみくじの種類」
吉凶の段階のほかにも、社寺の工夫による「種類」があります。神社本庁も「種類もいろいろとあり、神社ごとに工夫も見られます」と述べているとおりです。よく見かけるのは次のようなものです。
- テーマ別のおみくじ:恋みくじ、仕事みくじ、学業みくじなど、占う場面を絞ったもの
- 和歌みくじ・漢詩みくじ:吉凶より本文の歌や詩が主役になっているもの
- 縁起物入り:小さな鈴や干支の飾りなどが一緒に入っているもの
- 形に工夫のあるもの:授与品そのものが人形や動物の形をしているもの。外国語の訳が付いたものもあります
これらに全国共通の分類はなく、社寺ごとの工夫です。旅先で見慣れない形のおみくじに出会ったら、その社寺だけの一点ものだと思って楽しむのがよさそうです。
おみくじは誰が作っている?
意外に知られていませんが、おみくじを専門に作っている会社があります。山口県周南市の公式サイトによると、二所山田神社の宮司だった宮本重胤が女性の自立のための全国組織「大日本敬神婦人会」を設立し、明治39年(1906年)にその機関誌『女子道』を発刊、その資金源としておみくじの製造を始めたのが女子道社です。
同ページには、おみくじの自動頒布機を考案したのも同社であり、おみくじを全国各地の神社仏閣向けに製作している、と記されています。
遠く離れた社寺のおみくじなのに言い回しがどこか似ている——そう感じることがあるのは、こうした専門の製造元が全国に納めているためと考えられます。
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よくある質問
Q. おみくじは何段階ありますか?
A. もっとも一般的なのは7段階です。神社によってはさらに細かく分かれ、10段階を超える例も紹介されています。ただし段階の内訳を公式に公開している社寺は多くないため、手元のおみくじの記載を確認するのが確実です。
Q. 「平(たいら)」は良い意味ですか?
A. はい。平穏無事を表す穏やかな相で、凶ではありません。
Q. 大大吉は大吉より上ですか?
A. 大吉のさらに上に位置づけている社寺があります。本数が少ない珍しい吉凶とされますが、そもそも大大吉を用意していない社寺のほうが多数です。
Q. 「吉」と「中吉」はどちらが上ですか?
A. 資料でも2通りに分かれます。「大吉>吉>中吉」とするものと「大吉>中吉>小吉>吉」とするものがあり、どちらか一方が正解とは言えません。詳しくは「おみくじの順番一覧」をご覧ください。
Q. 吉凶のないおみくじがあるのはなぜですか?
A. 明治神宮の「大御心」がその例です。公式サイトによると、御祭神ゆかりの御製・御歌を用いる独自のおみくじにするため、吉凶を入れない形にしたと説明されています。
Q. 半吉や末小吉はどのくらいの位置ですか?
A. 古い観音籤の分類では、半吉が「中の上」、末小吉が「中の次」とされています。ただし現在使っている社寺は限られるため、手元のおみくじに順位の説明があればそちらが優先です。
※ 参照した公開情報:神社本庁「おみくじ」/明治神宮「よくある質問」/国立国会図書館 レファレンス協同データベース(おみくじの順番)/山口県周南市「二所山田神社・女子道社について」(いずれも2026年8月時点)
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