おみくじの順番一覧——大吉の次は?吉・中吉・小吉・末吉・凶の順位
- おみくじの順番に「公式」はありません。群馬・産泰神社の神職も「公式な見解は存在しません」と書いています
- 神社本庁が例として挙げている並びは「大吉→吉→中吉→小吉→末吉→凶」。つまり吉が2番目です
- いっぽうで「大吉→中吉→小吉→吉→末吉」と紹介する本も多く、どちらが正しいという決着はついていません
- 神社本庁は、順位そのものよりおみくじに書かれた内容を生活の指針にすることが大切だとしています
おみくじを引いて「吉」が出たとき、これは良いほうなのか、順番のどこにあるのか迷ったことはありませんか。答えを先に言うと、吉凶の順位は社寺によって違い、全国で統一されたルールはありません。しかも「吉」は、資料によって2番目だったり4番目だったりします。
この記事では、公的機関と社寺の公式サイトに実際に書いてあることだけを根拠に、どこまでが確かめられて、どこからが分かれているのかを整理します。参照したページはすべて記事末尾にリンクしています。
- おみくじの順番に「公式」が無いこと(根拠つき)
- 神社本庁が例として挙げている並び
- よく紹介される2つのパターンの違い
- 図書館のレファレンス事例が示す「本ごとの食い違い」
- 元三大師のおみくじの七段階
- 大吉の上「大大吉」と、吉凶のないおみくじ
- 順位より大切だとされていること
まず前提——順番に「公式」はありません
いちばん大事なところから書きます。おみくじの吉凶の順番を全国で定めた決まりは、公的機関にも神社界にもありません。
群馬県前橋市の産泰神社は、公式サイトの神職執筆の記事で、順番についてはっきりこう書いています——「実は、公式な見解は存在しません」。同じ記事は、七段階のおみくじにも2通りの並びがあることを図で示しています。
「大吉→中吉→小吉→吉→末吉→凶→大凶」という並びは、しばしば「正式な順番」として紹介されます。しかしそれを「正式」と定めた出典を見つけることはできませんでした。確認できたのは、この並びを載せている本もあれば、別の並びを載せている本もある、ということだけです。
神社本庁が例として挙げている並び
神社本庁は、公式サイトの「おみくじ」のページで、種類と順番についてこう説明しています。
「その種類や順番は神社によってさまざまですが、一例として『大吉→吉→中吉→小吉→末吉→凶』といった順番があります」
注目したいのは2点です。ひとつは「一例として」と留保していること。もうひとつは、その一例で「吉」が大吉のすぐ下、2番目に置かれていることです。
| 順位 | 吉凶 | ざっくりした意味 |
|---|---|---|
| 1 | 大吉(だいきち) | もっとも運勢が良い |
| 2 | 吉(きち) | しっかり良い |
| 3 | 中吉(ちゅうきち) | まずまず良い |
| 4 | 小吉(しょうきち) | そこそこ良い |
| 5 | 末吉(すえきち) | これから良くなる |
| 6 | 凶(きょう) | 注意が必要 |
この6段階には「大凶」が入っていません。段階の数そのものが社寺ごとに違うため、大凶が無い並びも神社本庁が例として挙げる形のひとつだ、ということになります。
よく紹介される2つのパターン
産泰神社の記事は、七段階のおみくじに次の2通りがあると図で示しています(同記事の呼び方は「場合1」「場合2」)。違いは「吉」がどこに入るかだけです。
| 産泰神社の呼び方 | 並び | 吉の位置 |
|---|---|---|
| 場合1 | 大吉>吉>中吉>小吉>末吉>凶>大凶 | 2番目 |
| 場合2 | 大吉>中吉>小吉>吉>末吉>凶>大凶 | 4番目 |
後で触れる『ニッポンのおみくじ』という本も、同じ2通りを「Aパターン」「Bパターン」として併記しています。神社本庁の例示は場合1に近い並びです。どちらかが間違いということはなく、どちらも実際に使われています。
引いた社寺に順番の掲示があれば、それがその社寺の答えです。掲示が無いなら、順位を確かめようとするより本文を読むほうが、おみくじ本来の使い方に近いとされています(次の見出しで詳しく触れます)。
図書館のレファレンス事例が示す「本ごとの食い違い」
「順番が載っている本を見たい」という質問に図書館がどう答えたかが、国立国会図書館のレファレンス協同データベースに記録として残っています(所沢市立所沢図書館・2017年)。ここが、この話でいちばん分かりやすい資料です。
回答で紹介された本の記述は、互いに食い違っています。
| 資料 | そこに書かれていた並び |
|---|---|
| 『神社とは何か?お寺とは何か? 2』 | 大吉→吉→半吉→小吉→末吉→末小吉→凶 |
| 『よくわかる神社の本』 | 大吉・中吉・小吉・吉・末吉・凶(地域・神社によって違いありと注記) |
| 『ニッポンのおみくじ』 | Aパターンは大吉>吉>中吉…、Bパターンは大吉>中吉>小吉>吉…と2通りを併記 |
| 『一番大吉!』 | 元三大師系の七段階として、大吉(上上)・吉(上)・小吉(上の下)・半吉(中の上)・末吉(中)・末小吉(中の次)・凶(下) |
さらにこの事例には「記載のなかった資料」の欄があり、『国史大辞典』『世界大百科事典』といった大きな事典には順番の記載が無かったことも記録されています。事典に載っていない、というのは「決まっていない」ことの裏返しでもあります。
元三大師のおみくじの七段階
いまのおみくじの元をたどると、元三大師(がんざんだいし=良源/慈恵大師)に行き当たります。比叡山延暦寺は公式サイトで、横川の元三大師堂について「おみくじ発祥の地とされています」と説明しています。
東京・浅草寺も、自寺のおみくじについて公式FAQでこう書いています——「浅草寺のおみくじは『観音百籤』というものです」、そして「比叡山延暦寺の良源僧正(慈恵大師または元三大師ともいう)によって日本に広く普及したとされ、浅草寺にも伝えられました」。
この系統の七段階が、前述のレファレンス事例に『一番大吉!』(中村公一・大修館書店)からの引用として載っています。浅草寺がいま出しているおみくじの並びそのものではない点に注意してください。
| 段階 | 吉凶 | 漢字での表し方 |
|---|---|---|
| 1 | 大吉 | 上上 |
| 2 | 吉 | 上 |
| 3 | 小吉 | 上の下 |
| 4 | 半吉 | 中の上 |
| 5 | 末吉 | 中 |
| 6 | 末小吉 | 中の次 |
| 7 | 凶 | 下 |
なお産泰神社の記事は、浅草寺のおみくじの順番を「大吉→吉→半吉→小吉→末小吉→末吉→凶」と書いており、上の表とは半吉から末小吉までの並びが違います。同じ元三大師系でも、伝わり方に幅があるということです。
それでも「吉」はどちらも2番目です。そして「中吉」が入っていません。かわりに「半吉」「末小吉」という、いまではあまり見かけない段階があります。「大吉の次は中吉」という感覚のほうが、実は新しいのかもしれません。
「凶が多い」という話について
浅草寺のおみくじは凶が多い、とよく言われます。これについて浅草寺は公式FAQで「『浅草寺のおみくじは凶が多い』とよく言われますが、古来の“おみくじ”そのままです」と説明しています。あえて凶を増やしているのではなく、昔から伝わるものをそのまま使っているという趣旨です。ここで浅草寺は「割合」という言葉は使っていません。
もとになった元三大師の百籤については、産泰神社の記事に「良源が読んだ漢詩百詩のうち、30の詩は『凶』です」という記述があります。100本のうち30本が凶、ということになります。
いま自分のところのおみくじの吉凶の本数を公開している社寺は、見つけられませんでした。「この神社は凶が◯%」といった数字を見かけることがありますが、当サイトでは社寺の公式説明で確認できないものは書きません。
大吉の上「大大吉」と、吉凶のないおみくじ
七段階の外側を用意している社寺もあります。三重県桑名市の桑名宗社(俗称・春日神社)は、公式サイトの神主ブログ(2016年12月15日)で自社のおみくじを「【大大吉】【大吉】【吉】【中吉】【小吉】【末吉】【凶】の7種類」と説明しています。大吉の上に大大吉がある、ということです(現在の授与内容は参拝時にご確認ください)。
逆に、吉凶を書かないおみくじもあります。明治神宮の「大御心(おおみごころ)」がそれで、公式サイトは「吉凶を占うおみくじではなく」と明記しています。明治天皇・昭憲皇太后の御製・御歌から30首を選び、昭和22年の正月から授与しているものです。
段階の数は「6・7・それ以上」と社寺ごとに違い、大吉の上を作る社寺もあれば、吉凶そのものを置かない社寺もあります。ひとつの正解表を作ることはできません。
順位より大切だとされていること
神社本庁は、おみくじの説明のなかでこう書いています——「単に吉凶判断を目的として引くのではなく、その内容を今後の生活指針としていくことが何より大切」。さらに「引いた『おみくじ』を充分に読み返し、自分自身の行動に照らし合わせてみたいものです」と続けています。
神社本庁の同じページは、おみくじに書かれているものとして「金運や恋愛、失物、旅行、待ち人、健康など」の項目と「生活の指針となる和歌など」を挙げています。順位を確かめて終わりにせず、そちらを読むことが本来の使い方だという説明です。
結ぶ? 持ち帰る?
引いたあとの扱いについて、神社本庁は「結び所に結んで帰る習わしもありますが、持ち帰っても差し支えありません」としています。どちらでもよいということです。
ただし結ぶ場所には注意が必要です。産泰神社は「境内の木々に結ぶことは、木々を痛めてしまう可能性がありますので、基本的にはマナー違反」と書いています。結び所が用意されているなら、そこに結ぶのが安心です。
浅草寺のように、凶が出た場合は結んでいくよう案内している寺院もあります。あわせて「おみくじの棒は備え付けの筒に必ずお戻しください」とも書かれています。
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よくある質問
Q. おみくじで一番良いのは何ですか?
A. 多くの社寺では「大吉」がもっとも良いとされます。ただし桑名宗社(三重県桑名市)のように、大吉の上に「大大吉」を置いている社寺もあります。
Q. 吉と中吉はどちらが上ですか?
A. 資料によって分かれています。神社本庁が例として挙げている並びでは「大吉→吉→中吉」で吉が上、いっぽう「大吉→中吉→小吉→吉」と紹介する本もあります。産泰神社の神職も「公式な見解は存在しません」と書いており、どちらかが誤りということはありません。
Q. 大凶が入っていない神社もあるのですか?
A. あります。神社本庁が例として挙げている並びは「大吉→吉→中吉→小吉→末吉→凶」の6段階で、大凶が入っていません。段階の数そのものが社寺ごとに違います。
Q. 凶を引いてしまいました。どうすればいいですか?
A. 浅草寺は公式FAQで「凶が出た人もおそれることなく、辛抱強さをもって誠実に過ごすことで、吉に転じます」と説明し、境内の所定の場所に結んでいくよう案内しています。凶の扱いは別の記事でくわしく書いています。
Q. おみくじは結ぶべきですか、持ち帰るべきですか?
A. 神社本庁は「結び所に結んで帰る習わしもありますが、持ち帰っても差し支えありません」としています。どちらでも構いません。結ぶ場合は、木の枝ではなく結び所を使ってください。
Q. 順位より大切なことはありますか?
A. 神社本庁は「単に吉凶判断を目的として引くのではなく、その内容を今後の生活指針としていくことが何より大切」としています。同ページが挙げる「金運や恋愛、失物、旅行、待ち人、健康など」の項目と「生活の指針となる和歌など」を読むことが本来の使い方だという説明です。
※ 参照した公開情報:神社本庁「おみくじ」/国立国会図書館 レファレンス協同データベース(おみくじの縁起の良い順番/所沢市立所沢図書館)/産泰神社「おみくじの順番」/浅草寺「よくあるご質問」/比叡山延暦寺「横川」/桑名宗社(春日神社)/明治神宮「大御心」(いずれも2026年8月時点)
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