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📖 まず学ぶ(講義)
前知識ゼロからでも読めるように書いています。
📚 講義の全文(28本)
SPI対策ラボ の講義28本を、そのまま読める形で置いています。アプリを起動しなくても、ここだけで内容を確かめられます。各見出しを開くと、本文・用語・図表・例題・出典が出ます。
推論
順位と大小関係は1本の線に並べる
速い・高い・多いといった比較の条件を、左を1位とした1本の線の上に置き換えて並べます。確定した情報から先に置き、決まらないところは決まらないまま残すのがコツです。
推論でいちばん多く出るのが、順位や大小関係の問題です。「AはBより上位」という条件を頭の中だけで処理しようとすると必ず取りこぼすので、紙に人数分のマスを左から1位、2位…と書き、そこへ置いていきます。矢印を書き散らすより、1本の線に並べたほうが、条件が3つ4つとつながったときに順番がそのまま目に見えます。
なぜ1本の線でよいかというと、同順位がないという前提があるからです。同順位がなければ順位は完全な一列になり、AがBより上、BがCより上なら必ずAはCより上になります。この推移律のおかげで、ばらばらに与えられた2人ずつの比較を、つなげて1本の鎖にできます。逆にいうと、同点があるかもしれないと書かれている問題では鎖にできないので、条件文の但し書きを必ず読んでください。
本番でいちばん危ないのは、全員の順位を1通りに決めようとして時間を溶かすことです。SPIの推論は「確実にいえるものはどれか」という問い方が非常に多く、この形式ではそもそも順位が1通りに決まりません。決まらない部分は決まらないまま残し、選択肢ごとに反例を1つ作れるかどうかを見ます。反例が1つでも作れたらその選択肢は消えます。すべての並びで成り立つものだけが答えです。
「AとBの間に2人いる」のような距離の条件は、間の人数に1を足したものが順位の差になります。間に2人なら差は3です。この2人はひとかたまりのブロックとして扱い、左右どちらが上かの2通りを両方試します。ここに「Dは1位」のような端の確定情報を組み合わせると、置ける場所が一気に絞れます。確定情報を先に置くのは、そのためです。
順位を決める手順 1. 人数分のマスを左から1位、2位…と書く 2. 「Xは3位」のような確定情報を先に置く 3. 「AはBより上位」を A-B のつながりに直す 4. つながりを1本にまとめる。A-B と B-C なら A-B-C 5. 距離の条件はブロックにして、置ける場所を順に試す 6. 残ったマスに、まだ置いていない人を入れる 7. 1通りに決まらないときは、ありうる並びを全部書き出す
| 条件の言い方 | 線の上での意味 | 注意 |
|---|---|---|
| AはBより上位 | AがBの左にある | 同順位なしが前提 |
| AはBの2つ下の順位 | AはBの右へ2つ分 | 順位の差は2、間は1人 |
| AとBの間に2人いる | AとBの順位の差は3 | 左右どちらが上かは未定 |
| Aは3位 | 左から3番目に固定 | 確定情報から先に置く |
| Aは最下位ではない | 右端以外のどこか | 否定条件は消し込みに使う |
- 同順位なし
- 全員の順位が異なるという前提。これがあると全員を一列に並べられ、推移律が使える。問題文の但し書きで必ず確認する。
- 推移律
- AがBより上、BがCより上なら、AはCより上になるという性質。ばらばらの比較条件を1本の鎖につなぐ根拠。
- 上位・下位
- 順位の数字が小さいほうが上位。Aのほうが速い、Aのほうが高いも、線の上ではAが左という同じ形に直せる。
- ブロック
- 「AとBの間に2人」のように、位置の差が決まっている2人をひとかたまりとして扱う考え方。左右反転の2通りを試す。
- 確実にいえる
- 条件を満たすすべての並びで成り立つということ。1つでも反例が作れれば、その選択肢は確実にはいえない。
- 場合分け
- 1通りに決まらないとき、ありうる並びを数え落としなく書き出すこと。書き出した表がそのまま反例さがしに使える。
例題 A,B,Cの3人の順位について、AはBより上位、BはCより上位である。3人の順位を求めよ。
A-B と B-C をつなげて A-B-C。1位がA、2位がB、3位がC。推移律でAはCより上位だと自動的に決まる。
例題 A,B,C,Dの4人の順位について、Dは1位、AとBの間には1人いる、CはBより上位である。並びを求めよ。
Dが1位で確定。AとBの順位の差は2なので、残った2位から4位のうち2位と4位に入る。CはBより上位なのでCが3位、Bが4位、Aが2位。並びは D-A-C-B。
例題 A,B,C,Dの4人について、AはBより上位、CはDより上位ということだけが分かっている。「Aは1位である」は確実にいえるか。
いえない。C-D-A-B という並びも2つの条件を満たし、このときAは3位になる。反例が1つ作れた時点でその選択肢は消える。確実にいえるのは、与えられた条件そのものと、そこから推移律で導けることだけ。
※ SPI3の出題形式(推論)に沿った、当サイトのオリジナル教材です(SPI3に公開シラバスはありません)
対応関係と位置関係は表で消し込む
誰が何を担当するか、どこに座るか。人と項目の組合せは、縦横の表に丸とバツを書き込んで決めます。各行・各列に丸はちょうど1つ、という性質がいちばんの武器です。
対応関係の問題は、縦に人、横に項目を並べた表を書くところから始めます。「AはXではない」と分かったらそのマスにバツ、「BはYだ」と分かったらそのマスに丸を入れ、同時にBの行の残りとYの列の残りをすべてバツにします。この消し込みを機械的にやるだけで、頭で考えるより速く正確に決まります。表を書かずに暗算しようとするのが、この分野の最大の失点原因です。
なぜ表でよいかというと、1人1つずつで重複なしという条件が、各行に丸がちょうど1つで各列にも丸がちょうど1つ、という条件と完全に同じ意味だからです。だからある行にバツが並んで空きが1つになれば、そこは自動的に丸になります。列についても同じです。この消去法だけで解ける問題が、実際にかなりの割合を占めます。
やっかいなのは「秋田出身の人は水泳部」のように、人ではなく項目どうしを結ぶ条件です。これは人の表に直接は書けません。項目と項目の表をもう1枚作るか、対偶をとって「水泳部ではない人は秋田出身ではない」と読み替え、水泳部ではないと分かっている人の秋田のマスにバツを入れます。対偶に直すと必ず人についての条件になるので、表に落とせます。
位置関係も、席に左から1番、2番…と番号を振ってしまえば順位とまったく同じ扱いになります。「BはAの右隣」は位置の差が1のブロックです。上下2段のロッカーやマンションの階数のような2次元の配置は、図を1つだけ描いて、そこへ確定情報から書き込みます。真上・真下は列がそろっている、隣は段がそろっていて列が1つずれている、と言い換えて処理します。
対応表の作り方 1. 縦に人、横に項目を並べた表をかく 2. 「AはXではない」を × で書き込む 3. 「BはYだ」を ○ で書き、その行と列の残りを × にする 4. × が並んで空きが1つになった行・列に ○ を入れる 5. 項目どうしを結ぶ条件は対偶に直してから × にする 6. 埋め終えても決まらないときは、○ の置き方で場合分けする 位置関係のとき 7. 席や階に左から、下から番号を振って順位と同じに扱う
| 野球 | サッカー | テニス | |
|---|---|---|---|
| A | × | ○ | × |
| B | × | × | ○ |
| C | ○ | × | × |
- 対応表
- 縦に人、横に項目を並べた表。分かったことを丸とバツで書き込み、組合せを1つに絞るための道具。
- 消去法
- ある行または列でバツが並び、残りが1つになったらそこが丸に確定するという決め方。対応表の主役。
- 対偶
- 「PならばQ」を「QでないならPでない」と言い換えたもの。もとの命題と必ず真偽が一致するので、安心して表に書き込める。
- 隣接条件
- 「BはAの右隣」のような、位置の差が1と決まっている条件。ブロックとして扱い、置ける場所を順に試す。
- 真上・真下
- 2段の配置で、段だけが違って列が同じ関係。列をそろえるという情報なので、まず列を確定させると速い。
- 二重対応
- 人が県と部活のように2つの属性をもつ形式。表を2枚使うか、人を縦にして横に属性を2群並べた1枚で処理する。
例題 A,B,Cの3人が国語・数学・英語のうち異なる1科目を担当する。Aは国語ではなく、Bは英語である。3人の担当を求めよ。
Bの英語に丸を入れ、英語の列とBの行の残りをバツにする。Aは国語でも英語でもないので数学に丸。残ったCが国語。
例題 左から1番から5番の席がある。Aは2番、BはAの右隣、CはBより右に座る。Cの席としてありうるものを求めよ。
Aが2番なのでBは3番。CはBより右なので4番か5番の2通り。1通りに決まらないので、ここは場合分けを残したまま次の条件を待つ。
例題 「北海道出身の人はスキー部である」という条件を、対応表に書き込める形にせよ。
対偶をとって「スキー部ではない人は北海道出身ではない」とする。スキー部ではないと確定した人について、北海道のマスにバツを入れられる。もとのままでは人が特定できず、表に書けない。
※ SPI3の出題形式(推論)に沿った、当サイトのオリジナル教材です(SPI3に公開シラバスはありません)
発言の真偽・確実にいえること・数量の内訳
誰が嘘をついているか、与えられた命題から何が確実にいえるか、合計から内訳をどう割り出すか。仮定して矛盾を探す型と、対偶で言い換える型を身につけます。
嘘つきの問題は、賢く解こうとせず、仮定して矛盾を探すのが最短です。「割ったのはAだ」と仮定すると4人の発言がそれぞれ本当か嘘かが決まるので、本当を言った人数を数え、問題の条件と合うかを確かめます。合わなければ次の仮定へ進みます。犯人の候補は4人しかいないので、4回試せば必ず終わります。合う仮定がちょうど1つ残ったら、それが答えです。
正直者と嘘つきが混ざる型も同じで、各人が正直者かどうかを丸とバツで仮定し、その仮定のもとで各人の発言内容が正しいかどうかを判定して、判定結果が仮定と一致するかを見ます。3人なら8通り、4人なら16通りしかありません。うまい筋道を探すより、全部試したほうが速く、しかも見落としません。矛盾する仮定が消えて残ったものが答えになります。
「確実にいえるものはどれか」という問いは、条件を満たすすべての場合で成り立つかを聞いています。ですから選択肢を吟味するときは、成り立つ例を1つ見つけて満足してはいけません。逆に、成り立たない例を1つでも作れないかを探しにいきます。反例が作れたら消し、どうしても作れないものが答えです。ありうる、と、確実にいえる、はまったく別の問いなので、設問の語尾を必ず読んでください。
命題の言い換えでは、「PならばQ」から確実にいえるのは対偶の「QでないならPでない」だけです。逆の「QならばP」と裏の「PでないならQでない」は成り立つとは限りません。テニス部員は全員運動が好き、から、運動が好きな人はテニス部員、は言えないというのがその典型です。また「中には…な人もいる」という条件は存在を1人保証するだけで、全員については何も言いません。
数量の内訳を推定する問題は、いちばん少ないものや基準になるものを x とおき、残りを x の式で表して、合計の式を1本立てます。赤は白より3個多く青は白の2倍なら、白を x として x と x+3 と 2x を足し、合計に等しいとおけば x が出ます。整数個であることや、どの色も1個以上あることが答えを1つに絞る鍵になることも多いので、条件として使い忘れないでください。
嘘つき問題の手順 1. 「割ったのはAだ」と仮定する 2. その仮定のもとで各人の発言が本当か嘘かを書き出す 3. 本当を言った人数を数え、条件と合うかを見る 4. 合わなければ次の候補で1から繰り返す 5. 合う仮定がちょうど1つ残れば、それが答え 内訳を求める手順 6. 基準になる量を x とおく 7. 他の量を x の式で表し、合計の式を1本つくって解く
| 名前 | 形 | もとの命題との関係 |
|---|---|---|
| もとの命題 | PならばQ | 与えられた条件 |
| 逆 | QならばP | 成り立つとは限らない |
| 裏 | PでないならQでない | 成り立つとは限らない |
| 対偶 | QでないならPでない | もとと必ず真偽が一致する |
- 仮定して矛盾を探す
- 候補を1つ仮に正しいとして最後まで進め、条件に反したら捨てるやり方。嘘つき問題の基本手順。
- 対偶
- 「PならばQ」に対する「QでないならPでない」。もとの命題と必ず真偽が一致するので、確実にいえる。
- 逆
- 「PならばQ」に対する「QならばP」。成り立つとは限らない。推論の選択肢で最も多い誤答の型。
- 裏
- 「PならばQ」に対する「PでないならQでない」。これも成り立つとは限らない。逆と裏はセットで覚える。
- 反例
- 条件は満たすのに、その選択肢は成り立たないという例。1つ作れれば、その選択肢は確実にはいえない。
- 内訳の推定
- 合計と、量どうしの関係から個々の量を割り出すこと。基準の量を x とおいて式を1本立てるのが定石。
例題 A,B,Cのうち1人が窓を割った。A「私は割っていない」、B「Cが割った」、C「Bは嘘をついている」。本当のことを言っているのが2人のとき、割ったのは誰か。
BとCの発言は必ず片方だけが本当なので、本当が2人ならAの発言も本当で、割ったのはAではない。Bと仮定するとBの発言が嘘でCが本当となり本当は2人、Cと仮定するとBが本当でCが嘘でやはり2人。つまりこの3つの発言だけでは決まらない。本番ではもう1つ条件が必ずつくので、足りないと気づいたら条件の読み落としを疑う。
例題 「この店の会員は全員ポイントカードを持っている」。確実にいえることは何か。
対偶の「ポイントカードを持っていない人は会員ではない」。逆の「ポイントカードを持っている人は会員」や、裏の「会員でない人はポイントカードを持っていない」は言えない。
例題 赤・白・青の玉が合わせて22個ある。赤は白より2個多く、青は白の3倍である。赤は何個か。
白を x とすると x + (x + 2) + 3x = 5x + 2 = 22 で x = 4。白4個、赤6個、青12個で合計22個になる。
※ SPI3の出題形式(推論)に沿った、当サイトのオリジナル教材です(SPI3に公開シラバスはありません)
割合・比・損益
割合・百分率と比の扱い方
割合の問題は「もとにする量・比べる量・割合」のどれを聞かれているかを見分けるだけで、ほとんど片づきます。比と比例配分もこの延長線上にあります。
型はたった1本です。比べる量 = もとにする量 × 割合。求めたいものに応じてこれを変形し、割合 = 比べる量 ÷ もとにする量、もとにする量 = 比べる量 ÷ 割合 と使い分けます。どれがもとにする量かは、日本語で見分けられます。「定員の何%か」「原価の3割」のように、助詞「の」の直前にある語がもとにする量です。SPIは1問あたりの時間が短いので、式を立てる前にこの1語を丸で囲む習慣をつけると事故が減ります。
なぜこの型で解けるのかというと、割合とは「もとにする量を1とみたときに、比べる量がいくつぶんにあたるか」を表す数だからです。もとにする量を1にそろえてあるので、掛ければ実際の量に戻り、割れば割合に直せます。百分率はその割合を100倍して % をつけた表し方、歩合は10倍して割・分・厘で表したものにすぎません。0.25 と 25% と 2割5分は、すべて同じ数の別表記です。
比 A:B = 3:4 は「全体を同じ大きさのかたまり7個に分け、Aが3個ぶん、Bが4個ぶんを受け取る」という意味です。だから比例配分は、まず1かたまりぶんの量を出し、それを各自の比の数に掛けます。3つ以上をつなぐ連比では、共通する項目の数をそろえます。A:B = 3:4 と B:C = 6:5 なら、Bを12にそろえて A:B:C = 9:12:10 とし、A:C = 9:10 と読み取ります。そろえずに端の数どうしを並べるのが、いちばん多い誤りです。
気をつけるところは2つです。1つ目は増減率で、もとにする量は必ず変化前の値です。1200円が1500円になったときの値上がり率は 300 ÷ 1200 = 25% であって、300 ÷ 1500 ではありません。2つ目は割合の割合で、「全体の60%が2年生、その2年生の25%が女子」のようにつながるときは掛け算します。0.6 × 0.25 = 0.15 で15%です。ここを足して85%としてしまう誤りが本番でも頻発します。
割合の3公式 比べる量 = もとにする量 × 割合 割合 = 比べる量 ÷ もとにする量 もとにする量 = 比べる量 ÷ 割合 増減率 = 増減した量 ÷ 変化前の量 変化後の量 = 変化前の量 ×(1 + 増減率) 比例配分: 1かたまり = 全体 ÷ 比の合計 → 各自 = 1かたまり × 比の数 連比: 共通する項目の数を最小公倍数にそろえてから並べる
| 小数 | 分数 | 百分率 | 歩合 |
|---|---|---|---|
| 0.5 | 1/2 | 50% | 5割 |
| 0.25 | 1/4 | 25% | 2割5分 |
| 0.08 | 2/25 | 8% | 8分 |
| 0.032 | 4/125 | 3.2% | 3分2厘 |
| 1.2 | 6/5 | 120% | 12割 |
- もとにする量
- 割合を考えるときに1とみなす基準の量。「〜の」の直前にある語がこれにあたることが多い。増減率では必ず変化前の値になる。
- 比べる量
- もとにする量と比べられている側の量。比べる量 = もとにする量 × 割合 で求まる。
- 百分率
- 割合を100倍して % をつけた表し方。0.25 は 25%。割合そのものと混ぜて計算しないよう、式に入れる前に小数へ直す。
- 歩合
- 割合を10倍して割・分・厘で表したもの。1割 = 10%、1分 = 1%、1厘 = 0.1%。3割2分は 32% にあたる。
- 比例配分
- 全体をある比で分けること。全体 ÷ 比の合計 で1かたまりぶんを出し、各自の比の数を掛ける。
- 連比
- A:B と B:C のように共通項目でつながった比を、A:B:C の形にまとめたもの。共通する項目の数をそろえてから並べる。
例題 定員300人の講座に240人の申込みがあった。申込み数は定員の何%か。
240 ÷ 300 = 0.8 で 80%。逆に 300 ÷ 240 = 1.25 として 125% とするのが定番の取り違え。もとにする量がどちらかを先に決める。
例題 21000円を A:B:C = 2:3:5 で分けるとき、Bの取り分はいくらか。
比の合計は 2+3+5 = 10。1かたまりは 21000 ÷ 10 = 2100円。Bは3かたまりなので 2100 × 3 = 6300円。
例題 A:B = 2:3、B:C = 4:5 のとき、A:C はいくつか。
Bを12にそろえると A:B = 8:12、B:C = 12:15。よって A:B:C = 8:12:15 となり A:C = 8:15。
※ SPI3の出題形式(割合・比・損益)に沿った、当サイトのオリジナル教材です(SPI3に公開シラバスはありません)
損益算 原価・定価・売価・利益
損益算は、原価を1とおいて定価と売価を式にするだけの問題です。用語の順番さえ体に入れば、あとは掛け算と割り算しか出てきません。
型は「原価を x とおき、定価と売価を x の式で表す」です。原価に利益を見込むと定価、定価から値引きすると売価、そして売価から原価を引いたものが実際の利益になります。原価の2割の利益を見込んだ定価は 1.2x、その定価の1割引の売価は 1.2x × 0.9 = 1.08x、実際の利益は 1.08x − x = 0.08x です。この一直線の流れを紙の端に書いてから数値を入れると、取り違えが起きません。
なぜこの型で解けるのかというと、損益算に出てくる割合はすべて「何をもとにする量とするか」が決まっているからです。利益を見込む割合のもとにする量は原価、値引きの割合のもとにする量は定価です。この2つが違う量を基準にしているので、2割の利益を見込んで2割引で売ると元に戻らず、1.2 × 0.8 = 0.96 と原価を割り込みます。「2割増のあと2割引はもとに戻らない」は損益算でいちばんおいしい落とし穴です。
求めるものが原価のときは、逆算になります。「定価の1割引で売って原価の8%にあたる240円の利益」なら、原価の8%が240円なので原価 = 240 ÷ 0.08 = 3000円です。ここで 240 × 0.08 と掛けたり、1割引の 0.1 で割ったりすると答えがずれます。割合が出てきたら、必ず「もとにする量はどれか」を口に出してから ÷ か × を決めてください。
売価を基準に利益率が示される場合もあります。「売価の25%が利益」なら、原価は売価の75%です。原価900円なら売価は 900 ÷ 0.75 = 1200円で、900 × 1.25 = 1125円ではありません。また複数個をまとめて売る問題では、売上の合計と仕入の合計をそれぞれ出してから引くのが安全です。1個あたりの利益をいくつも計算するより、事故が少なくてすみます。
損益算の4本の式 定価 = 原価 ×(1 + 利益率) 売価 = 定価 ×(1 − 割引率) 利益 = 売価 − 原価 原価に対する利益率 = 利益 ÷ 原価 売価に対する利益率 = 利益 ÷ 売価 逆算の手順: 原価を x とおく → 定価と売価を x の式にする → 与えられた金額と等号で結ぶ 注意: 利益率のもとは原価、割引率のもとは定価
| 段階 | 計算 | 金額 | 原価を1としたときの値 |
|---|---|---|---|
| 原価 | - | 2000円 | 1 |
| 定価 25%の利益を見込む | 2000 × 1.25 | 2500円 | 1.25 |
| 売価 定価の20%引き | 2500 × 0.8 | 2000円 | 1 |
| 実際の利益 | 2000 − 2000 | 0円 | 0 |
- 原価
- 仕入れにかかった金額。仕入値ともいう。利益を見込む割合は、ふつうこの原価をもとにする量とする。
- 定価
- 原価に見込みの利益を加えてつけた値段。定価 = 原価 ×(1 + 利益率)。
- 売価
- 実際に売れた値段。値引きがなければ定価と同じ。売価 = 定価 ×(1 − 割引率)。
- 利益
- 売価から原価を引いた額。マイナスになった場合が損失。定価から原価を引いた見込みの利益とは区別する。
- 利益率
- 利益がもとにする量の何割にあたるかを表す割合。原価基準か売価基準かで値が変わるので、問題文の「〜の」を必ず確認する。
- 割引率
- 定価から何割引くかを表す割合。もとにする量は定価であって原価ではない。
例題 原価600円の商品に、原価の30%の利益を見込んだ定価はいくらか。
600 × 1.3 = 780円。利益は原価にかけるのであって、定価にかけるのではない。
例題 原価5000円の商品を、定価の2割引で売っても原価の20%の利益が出るようにしたい。定価はいくらか。
必要な売価は 5000 × 1.2 = 6000円。売価は定価の0.8倍なので、定価 = 6000 ÷ 0.8 = 7500円。
例題 原価の5割の利益を見込んで定価をつけ、その定価の4割引で売ったところ240円の損失が出た。原価はいくらか。
売価は 原価 × 1.5 × 0.6 = 原価 × 0.9。損失は原価の0.1にあたるので 原価 = 240 ÷ 0.1 = 2400円。
※ SPI3の出題形式(割合・比・損益)に沿った、当サイトのオリジナル教材です(SPI3に公開シラバスはありません)
増減率・濃度・単位あたりの量
食塩水の濃度も、続けて起こる値上げ値下げも、分割払いも、すべて「全体のうちいくつぶんか」という同じ考え方で処理できます。
濃度の型は「食塩の量を追いかける」です。濃度 = 食塩の量 ÷ 食塩水全体の重さ で、分母は水ではなく食塩水全体である点に注意します。混ぜる問題は、混ぜても食塩そのものは消えないので、混ぜる前の食塩の量の合計が混ぜた後の食塩の量と等しいという1本の式が立ちます。水を蒸発させる問題や水を加える問題も、食塩の量が変わらないことを使えば同じ形に落ちます。濃度どうしを平均したり足したりするのは、必ず間違いになります。
なぜ食塩の量を追うのかというと、濃度は割合であり、割合は足し算ができないからです。5%の食塩水200gと12%の食塩水300gを混ぜたときに 5 と 12 を平均して 8.5% としてはいけません。実際には食塩が 10g と 36g で合計46g、全体が500gなので 46 ÷ 500 = 9.2% です。量の多い側に引き寄せられる、という感覚も検算に使えます。8.5% より12%側に寄っているので、9.2% は妥当だと分かります。
続けて起こる増減は、掛け算でつなぎます。20%値上がりしてから20%値下がりすると 1.2 × 0.8 = 0.96 で、もとの96%です。もとに戻ると考えるのは、2回目のもとにする量が1回目より大きくなっていることを見落としたミスです。逆算するときは割り算でほどきます。20%増のあと25%減で今年が5400万円なら、一昨年は 5400 ÷ 0.75 ÷ 1.2 = 6000万円です。掛けるか割るかは、時間の向きで決まります。
分割払いと単位あたりの量は、素直な四則計算です。分割払いは、まず頭金を全体から引き、残りを回数で割ります。頭金を引き忘れると必ず高い額が出るので、答えの大きさで気づけます。単位あたりの量は、比べる単位をそろえるのが要点です。750mLで900円と1200mLで1380円なら、100mLあたり120円と115円なので後者が5円安いと分かります。総額だけを見て480円安いと答えないよう、必ず1単位ぶんに直してから比べます。
濃度と増減の式 濃度 = 食塩の量 ÷ 食塩水全体の重さ 食塩の量 = 食塩水の重さ × 濃度 混ぜる: 混ぜる前の食塩の合計 = 混ぜた後の食塩 続けて変化: 変化後 = 変化前 ×(1 + 率1)×(1 + 率2) 逆算: 変化前 = 変化後 ÷(1 + 率2)÷(1 + 率1) 分割払い: 1回の支払額 =(総額 − 頭金)÷ 回数 単位あたり: 値段 ÷ 内容量 で1単位の値段にそろえてから比べる
| 操作 | 食塩の量 | 全体の重さ | 濃度 |
|---|---|---|---|
| 水を加える | 変わらない | 増える | 下がる |
| 水を蒸発させる | 変わらない | 減る | 上がる |
| 食塩を加える | 増える | 増える | 上がる |
| 同じ濃度の食塩水を加える | 増える | 増える | 変わらない |
| 濃さの違う食塩水を混ぜる | 合計になる | 合計になる | 2つの間の値になる |
- 濃度
- 食塩水全体の重さに対する食塩の重さの割合。分母は水ではなく食塩水全体。%で表すことが多い。
- 食塩水の重さ
- 食塩の重さと水の重さの合計。水を加えても食塩の量は変わらず、水を蒸発させても食塩の量は変わらない。
- 増減率
- 変化前の量をもとにした変化量の割合。続けて変化するときは 1 + 増減率 どうしを掛け合わせる。
- 頭金
- 分割払いで最初にまとめて支払う額。残額 = 総額 − 頭金 を回数で割ったものが1回の支払額になる。
- 単位あたりの量
- 1個あたりや100mLあたりのように、単位をそろえて比べるために出す量。値段の比較や燃費の計算に使う。
- てんびん法
- 2種類の濃度を混ぜるとき、濃度の差の逆比が重さの比になるという解き方。6%と15%を混ぜて10%にするなら、重さの比は 5:4 になる。
例題 6%の食塩水400gから水を100g蒸発させると、濃度は何%になるか。
食塩は 400 × 0.06 = 24gで変わらない。全体は300gになるので 24 ÷ 300 = 0.08 で 8%。
例題 4%の食塩水と10%の食塩水を混ぜて、7%の食塩水を300g作りたい。4%は何g必要か。
0.04x + 0.10(300 − x) = 21 を解いて x = 150g。てんびん法でも (10 − 7):(7 − 4) = 1:1 なので半分ずつで150g。
例題 昨年は一昨年より50%増え、今年は昨年より40%減って4500万円になった。一昨年はいくらか。
1.5 × 0.6 = 0.9 なので、今年は一昨年の0.9倍。4500 ÷ 0.9 = 5000万円。増減率は足し引きせず掛ける。
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速さ・仕事算
速さ・時間・距離と平均の速さ
速さの問題は「単位をそろえる」「3公式のどれを使うか決める」の2手順で片づきます。平均の速さだけは平均してはいけない、という一点に注意します。
型は3公式です。距離 = 速さ × 時間、速さ = 距離 ÷ 時間、時間 = 距離 ÷ 速さ。この3つは同じ式の変形にすぎないので、覚えるのは1本でかまいません。使う前に必ずやるのが単位そろえです。時速なら時間、分速なら分、秒速なら秒に合わせます。2時間30分は 2.5時間であって 2.30時間ではありません。ここを 72 × 2 + 30 のように混ぜてしまう誤りが、非言語でいちばん多い取りこぼしです。
なぜ単位そろえが効くのかというと、速さとは「単位時間あたりに進む距離」だからです。時速60kmは1時間で60km進むという意味なので、掛ける相手は時間の単位でなければ意味が合いません。逆に、答えが小数の時間で出たときは分に直します。2.4時間は 0.4 × 60 = 24分なので2時間24分です。2時間40分と読み違えるのが定番なので、小数部分には必ず60を掛ける、と手順にしてしまうのが安全です。
秒速と時速の行き来もよく出ます。秒速 x m を時速に直すには、1時間 = 3600秒、1km = 1000m なので 3600 ÷ 1000 = 3.6 を掛けます。秒速15mなら時速54kmです。逆に時速を秒速に直すときは3.6で割ります。時速72kmは秒速20mです。通過算では必ずこの変換が必要になるので、3.6という数字を指に覚えさせておくと速くなります。
平均の速さは、速さどうしを平均してはいけません。平均の速さ = 全体の距離 ÷ 全体の時間 です。行きが時速30km、帰りが時速20kmの往復なら、距離を60kmと仮におくと時間は 2時間と3時間で合計5時間、距離は120kmなので平均は時速24kmです。25kmではありません。距離が等しい2区間なら 2ab ÷(a + b)という式でも出せますが、2倍を忘れると12kmになるので、迷ったら距離を仮においてしまうのが確実です。
速さの3公式と換算 距離 = 速さ × 時間 速さ = 距離 ÷ 時間 時間 = 距離 ÷ 速さ 秒速 → 時速: × 3.6 時速 → 秒速: ÷ 3.6 小数の時間 → 分: 小数部分 × 60 平均の速さ = 全体の距離 ÷ 全体の時間 距離が等しい2区間の平均 = 2ab ÷(a + b)
| 秒速 | 分速 | 時速 | だいたいの目安 |
|---|---|---|---|
| 秒速 1m | 分速 60m | 時速 3.6km | ゆっくり歩く |
| 秒速 約1.3m | 分速 80m | 時速 4.8km | ふつうに歩く |
| 秒速 5m | 分速 300m | 時速 18km | 自転車 |
| 秒速 15m | 分速 900m | 時速 54km | 市街地の車 |
| 秒速 20m | 分速 1200m | 時速 72km | 郊外を走る車 |
- 速さ
- 単位時間あたりに進む距離。時速・分速・秒速があり、計算前に問題文の時間の単位とそろえる。
- 時速と秒速の換算
- 秒速から時速は3.6倍、時速から秒速は3.6で割る。1時間 = 3600秒、1km = 1000m から出てくる数。
- 平均の速さ
- 全体の距離を全体の時間で割ったもの。速さどうしの単純平均ではない。
- 調和平均
- 距離が等しい2区間の平均の速さを出す式 2ab ÷(a + b)。2倍を忘れる誤りが多い。
- 小数時間と分
- 0.4時間は 0.4 × 60 = 24分。2.4時間を2時間40分と読み違えないよう、小数部分に60を掛ける。
- 速さと時間の反比例
- 同じ距離を進むとき、速さが1.2倍なら時間は 1 ÷ 1.2 倍になる。かかった時間の比は速さの比の逆になる。
例題 時速60kmの車が150kmの道のりを進むのにかかる時間はどれだけか。
150 ÷ 60 = 2.5時間 = 2時間30分。0.5時間を50分としないこと。
例題 秒速25mは時速何kmか。
25 × 3.6 = 90km。秒速から時速は3.6倍、時速から秒速は3.6で割る。
例題 行きは時速40km、帰りは時速10kmで同じ道を往復した。平均の速さはどれだけか。
片道を40kmとすると、行き1時間、帰り4時間で合計5時間。80 ÷ 5 = 時速16km。単純平均の25kmではない。
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旅人算・通過算・流水算
2つのものが動く問題は、すべて「相対的な速さ」に置きかえられます。向かい合えば足す、同じ向きなら引く。この2つだけで旅人算も通過算も流水算も通ります。
型は「速さを足すか引くか」です。向かい合って近づくときは2人ぶん同時に距離が縮むので、速さの和で割ります。同じ向きに進んで追いかけるときは差のぶんだけ縮むので、速さの差で割ります。分速70mと分速80mの2人が1800m離れて向かい合えば 1800 ÷ 150 = 12分で出会い、分速90mが分速70mを追うなら差20で割ります。この和と差を取り違えるのが最大の失点源なので、図に矢印を2本描いてから式を立ててください。
なぜ和と差でよいのかというと、片方に乗って外を見ていると考えれば、相手だけが動いているように見えるからです。向かい合っているときは相手が速さの和で近づいてきますし、同じ向きなら差の速さでじりじり近づいてきます。池の周りを反対向きに回るなら1周ぶん進むごとに1回出会うので、2回目に出会うのは1回目の時刻のちょうど2倍です。同じ向きなら1周ぶんの差がついたときに追いつきます。
通過算は、進む距離に自分の長さを足すのが要点です。長さ180mの電車が長さ900mの鉄橋を渡り終えるまでに進む距離は、900 + 180 = 1080mです。先頭が入ってから最後尾が出るまで、と考えると分かります。列車どうしのすれ違いでは、2本の長さの合計を相対速度で割ります。向かい合うすれ違いは速さの和、追い越しは速さの差です。時速のままで計算せず、必ず秒速に直してから割ります。
流水算は、川の流れが速さを押したり引いたりするだけです。下りの速さ = 静水時の速さ + 流れの速さ、上りの速さ = 静水時の速さ − 流れの速さ。逆に上りと下りの速さが分かっているときは、静水時 =(下り + 上り)÷ 2、流れ =(下り − 上り)÷ 2 です。ここで2で割るのを忘れる誤りが非常に多いので、和と差を出したら必ず半分にする、と手順に組み込んでおきます。
旅人算・通過算・流水算の式 出会うまでの時間 = 2人の間の距離 ÷ 速さの和 追いつくまでの時間 = 先行距離 ÷ 速さの差 先行距離 = 先に出た人の速さ × 先に進んだ時間 橋を渡りきる距離 = 橋の長さ + 列車の長さ すれ違いの距離 = 列車Aの長さ + 列車Bの長さ 下りの速さ = 静水時の速さ + 流れの速さ 上りの速さ = 静水時の速さ − 流れの速さ 静水時の速さ =(下り + 上り)÷ 2 流れの速さ =(下り − 上り)÷ 2
| 場面 | 使う速さ | 使う距離 | 式 |
|---|---|---|---|
| 向かい合って出会う | 速さの和 | 2人の間の距離 | 距離 ÷ 和 |
| 同じ向きに追いつく | 速さの差 | 先行している距離 | 距離 ÷ 差 |
| 池を反対向きに回る | 速さの和 | 1周の長さ | 1周 ÷ 和 |
| 池を同じ向きに回る | 速さの差 | 1周の長さ | 1周 ÷ 差 |
| 橋やトンネルを渡る | 列車の速さ | 橋の長さ + 列車の長さ | 距離 ÷ 速さ |
| 列車がすれ違う | 速さの和 | 2本の長さの合計 | 距離 ÷ 和 |
| 川を下る | 静水時 + 流れ | 川の区間 | 距離 ÷ 下り |
| 川を上る | 静水時 − 流れ | 川の区間 | 距離 ÷ 上り |
- 旅人算
- 2人が動いて出会ったり追いついたりする問題。向かい合えば速さの和、同じ向きなら速さの差で距離を割る。
- 出会い算
- 向かい合って進む場合。出会うまでの時間 = 2人の間の距離 ÷ 速さの和。
- 追いつき算
- 同じ向きに進む場合。追いつくまでの時間 = 先行している距離 ÷ 速さの差。
- 通過算
- 列車が橋やトンネルを通る問題。進む距離に列車自身の長さを足す。すれ違いは2本の長さの合計を使う。
- 流水算
- 川を上り下りする船の問題。下り = 静水時 + 流れ、上り = 静水時 − 流れ。
- 相対速度
- 一方から見たときのもう一方の速さ。向かい合うときは和、同じ向きのときは差になる。
例題 弟が分速40mで家を出て、その14分後に兄が分速75mで追いかけた。兄の出発から何分後に追いつくか。
弟の先行は 40 × 14 = 560m。差は 75 − 40 = 35なので 560 ÷ 35 = 16分後。
例題 長さ120mの電車が時速54kmで、長さ630mの鉄橋を渡りきるのに何秒かかるか。
時速54kmは秒速15m。進む距離は 630 + 120 = 750mなので 750 ÷ 15 = 50秒。
例題 36kmの区間を、下りは2時間、上りは3時間で進む船がある。静水時の速さと流れの速さは。
下り 36 ÷ 2 = 18km/時、上り 36 ÷ 3 = 12km/時。静水時 = (18 + 12) ÷ 2 = 15km/時、流れ = (18 − 12) ÷ 2 = 3km/時。
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仕事算と水そう算
仕事算は「全体の仕事を1とおく」だけで、あとは足し算と引き算になります。水そう算もまったく同じ考え方で解けます。
型は「全体を1とおいて、1日あたりの仕事量を分数で書く」です。1人で12日かかる仕事なら1日あたり 1/12、6日かかる人なら 1/6。2人でやれば 1/12 + 1/6 = 1/4 なので、全体を終えるのに4日かかります。日数どうしを足したり平均したりしてはいけません。18日や9日という答えが出たら、その2つをやってしまっています。答えは必ず、いちばん速い人の日数より短くなるはずです。
なぜ1とおくとよいのかというと、仕事の実体が何であっても、1日あたりに進む割合さえ分かれば足し合わせられるからです。速さの問題で距離を仮においたのと同じ発想で、こちらは全体量を1にそろえています。全体を日数の最小公倍数にとってもかまいません。12日と6日なら全体を12とおき、1日あたり1と2、合わせて3なので 12 ÷ 3 = 4日。分数が苦手ならこちらの整数化が速いことも多いです。
逆算も同じ形です。2人でやると12日、Bだけだと20日という仕事なら、Aの1日あたりは 1/12 − 1/20 = 1/30 なので、Aだけなら30日です。3組の情報が与えられるタイプでは、AとB、BとC、AとC の3つを全部足すと、ちょうど3人ぶんの2倍になります。これを2で割れば3人合わせた1日あたりの仕事量が出ます。足した値をそのまま使わないよう気をつけてください。
水そう算は、水を入れる管が仕事をする人、水そうの容量が全体の仕事にあたります。容量が与えられていれば毎分何Lという実数で、与えられていなければ全体を1とおいて分数で計算します。排水管がある場合は、その1分あたりの量を引きます。入れる量の合計より排水のほうが大きければ永久にたまらないので、答えの符号でも検算できます。人数と日数の問題も同じで、のべ作業量が一定という関係から、人数と日数は反比例します。
仕事算と水そう算の手順 全体の仕事量を1とおく 1人あたりの1日の仕事量 = 1 ÷ その人だけでかかる日数 複数人が同時に働く: 1日の仕事量を足す かかる日数 = 1 ÷ 合わせた1日の仕事量 逆算: 1人ぶん = 合計 − 分かっている人のぶん 3組の和: AB + BC + CA = 2 ×(A + B + C) 水そう: 入れる管は足す、排水管は引く 人数と日数: 人数 × 日数 = 一定
| 1人でかかる日数 | 1日あたりの仕事量 | 全体を24とおくと | 2人合わせた例 |
|---|---|---|---|
| 8日 | 1/8 | 3 | 8日と24日で6日 |
| 12日 | 1/12 | 2 | 12日と24日で8日 |
| 18日 | 1/18 | - | 18日と9日で6日 |
| 24日 | 1/24 | 1 | 24日と8日で6日 |
| 30日 | 1/30 | - | 30日と20日で12日 |
- 仕事算
- 全体の仕事量を1とおき、1日あたりや1時間あたりの仕事量を分数で表して解く問題。
- 1日あたりの仕事量
- 1人で n 日かかる仕事なら 1/n。複数人が同時に働くときは、これを足し合わせる。
- 最小公倍数でおく
- 全体を日数の最小公倍数とおくと分数が消える解き方。12日と6日なら全体を12とおく。
- 水そう算
- 水を入れる管や排水する管の問題。入れる管の量を足し、排水する管の量を引く。仕事算と同じ形になる。
- のべ作業量
- 人数 × 日数 で表される総作業量。同じ仕事なら一定なので、人数と日数は反比例する。
- 交代で行う仕事
- 1日ごとに担当が入れかわる形式。2日で1組と考え、何組ぶん進むかを数えてから端数を調整する。
例題 Aだけで15日、Bだけで10日かかる仕事を2人でやると何日かかるか。
1日あたり 1/15 + 1/10 = 1/6。全体を1とすると 6日。
例題 2人でやると8日、Bだけだと24日かかる仕事を、Aだけでやると何日かかるか。
Aの1日分は 1/8 − 1/24 = 1/12。よって12日。
例題 A管だけなら8分、B管だけなら12分で満水になる水そうがある。C管だけなら24分で空になる。3つ同時に開くと何分で満水になるか。
1分あたり 1/8 + 1/12 − 1/24 = 4/24 = 1/6。よって6分。排水は引き算にする。
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場合の数・確率
場合の数の数え方(積の法則・順列・円順列)
「並べるのか、選ぶだけなのか」を最初に見分けて、積の法則・順列・円順列を使い分ける型を身につけます。
場合の数の問題は、まず「並べるのか、選ぶだけなのか」を見分けます。1列に並べる、役職をつける、数字を作るというように順番が結果を変えるなら順列。代表を選ぶ、組を作るというように順番が結果を変えないなら組合せです。この見分けを最初にやらないと、答えが 60 と 10 のように何倍もずれます。迷ったら「その2人を入れかえたら別のものになるか」と自分に聞いてください。別になるなら順列です。
順列の土台は積の法則です。1つ目の決め方が a 通りあり、そのそれぞれに対して2つ目の決め方が b 通りあるなら、全体は a×b 通り。異なる5個から3個を選んで並べるなら、5通り・4通り・3通りと1つずつ減っていくので 5×4×3=60通りです。全部を並べるときは 5×4×3×2×1=5! となります。逆に、同じものを何度使ってもよい重複順列では数が減らないので、3種類から4個なら 3×3×3×3=81通りになります。
円形に並べる円順列は、回転して重なる並びを1通りと数えます。n 人の並べ方 n! を回転の n 通りで割って (n−1)! となりますが、実際には「1人の席を固定して、残りを1列に並べる」と考えるほうが速くて間違えません。特定の2人を隣り合わせる条件がついたら、その2人を1組にまとめて (n−1) 個の円順列を作り、最後に組の中の並び 2! を掛けます。3人を続けて並べるなら、まとめてから 3! を掛けます。
条件つきの並べ方は、まとめる・すき間に入れる・余事象で引く、の3つの型でほとんど処理できます。隣り合う条件はまとめる型、隣り合わない条件はすき間か余事象、「少なくとも」は余事象です。数字を作る問題では、先頭に0を置けないという制約を最初に処理するのが鉄則で、0を含む5枚のカードから3桁を作るなら 4×4×3=48個となります。どの型を使っても、最後に小さい場合で樹形図を書いて数え直すと安心です。
場合の数を数える手順 1. 順番が結果を変えるかを判定する。変えるなら順列、変えないなら組合せ 2. 同じものを何度も使えるかを確かめる。使えるなら重複順列 3. 条件を先に処理する。先頭に0は置けない、この2人は隣、など 4. 積の法則で1つずつ掛ける 5. 円形なら1人を固定してから残りを並べる 6. 小さい場合で樹形図を書き、数え直して検算する
| 場面 | 式 | 例 |
|---|---|---|
| 順番をつけて r 個並べる | n から1つずつ減らして r 個分掛ける | 5個から3個で 5×4×3=60 |
| 全部を並べる | n! | 4個で 4!=24 |
| 同じものを何度でも使う | n を r 回掛ける | 3種類から4個で 81 |
| 円形に並べる | (n−1)! | 6人で 5!=120 |
| 円形で特定の2人が隣り合う | 2×(n−2)! | 5人で 2×3!=12 |
| 先頭に0を置けない3桁 | 先頭だけ別に数える | 0を含む5枚で 4×4×3=48 |
- 積の法則
- 続けて起こることがらの数え方。1つ目が a 通り、そのそれぞれで2つ目が b 通りなら全体は a×b 通り。場合の数の計算はほぼこれが土台。
- 順列
- 順番をつけて並べる数え方。異なる n 個から r 個を並べる数は n×(n−1)×… と r 個分だけ掛けたもの。5個から3個なら 5×4×3=60。
- 階乗
- n! は 1 から n までの整数をすべて掛けた数。4!=4×3×2×1=24。n 個すべてを1列に並べる方法の数にあたる。
- 重複順列
- 同じものを何度使ってもよいときの並べ方。n 種類から r 個なら n を r 回掛ける。3種類から4個で 81 通り。
- 円順列
- 円形に並べ、回転して重なるものを1通りと数える並べ方。n 個で (n−1)! 通り。1つを固定して残りを並べると考える。
- 樹形図
- 枝分かれの図で場合をすべて書き出す方法。数が小さいときの確実な検算手段で、公式で出した値と合うかを確かめるのに使う。
例題 異なる6冊の本から2冊を選んで、左から順に並べる方法は何通りか。
並べるので順列。6×5=30通り。選ぶだけなら 6×5/2=15通りで、半分になる。
例題 5人が円形のテーブルに座る方法は何通りか。回転して同じものは1通りと数える。
1人の席を固定して残り4人を並べるので 4!=24通り。5! の120通りとしてしまうのは、回転して同じ並びを別々に数えたミス。
例題 男子2人と女子3人が1列に並ぶとき、男子2人が隣り合う並び方は何通りか。
男子2人を1組にまとめると4つのものの並びで 4!=24通り。組の中の男子2人の並びが 2!=2通りなので 24×2=48通り。全体の 5!=120通りから引けば、隣り合わない並びは72通りとわかる。
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組合せ・同じものを含む並べ方・組分け
選ぶだけの数え方と、同じものがあるときの割り算、そして「組に区別があるか」で答えが変わる組分けを整理します。
組合せは、選ぶだけで順番を考えない数え方です。n 個から r 個を選ぶ組合せの数は、順列を r! で割った形になります。8人から3人の代表を選ぶなら 8×7×6/(3×2×1)=56通り。順列の336通りは、同じ3人組を並べ順の 3!=6 通り分だけ重複して数えた値です。また n 個から r 個を選ぶことは、残す n−r 個を選ぶことと同じなので、10人から8人を選ぶ数は10人から2人を選ぶ数と等しく45通りになります。
同じものを含む並べ方は、まず全部を区別して並べ、あとで同じものどうしの入れかえの分だけ割ります。赤玉3個と白玉2個なら 5!/(3!×2!)=10通り。文字の並べ方でも道順でも考え方は同じで、東へ4区画・北へ3区画進む最短経路は、7回の移動のうちどの3回を北にするかを決めればよいので 35通りです。「割る数を忘れて 5!=120 と答える」のがこの型の最大のミスです。
組分けは「組に区別があるか」で答えが変わります。A 室・B 室のように名前がついていれば区別あり、単に3つの組に分けるだけなら区別なしです。9人を3人ずつ3組に分けるとき、区別があれば 84×20×1=1680通り。区別がなければ、同じ分け方を組の並べ替え 3!=6 通り分だけ重複して数えているので 1680/6=280通りになります。この 3! で割る操作を忘れるのが定番の失点です。
注意したいのは、割るのはあくまで「人数が等しい組どうし」の入れかえだけということです。6人を4人と2人に分けるなら、人数が違うので入れかえても別の分け方になり、割る必要はありません。6人から4人を選ぶ15通りがそのまま答えです。人数の等しい組が k 組あるときだけ k! で割る、と覚えてください。
組合せと組分けの手順 1. 順番を考えるかを判定する。考えないなら組合せ 2. 同じものがあれば、全部区別して並べてから同じものの階乗で割る 3. 組分けは、まず区別がある前提で選び方を掛け合わせる 4. 組に区別がなく、人数の等しい組が k 組あるなら最後に k! で割る 5. 人数が違う組どうしは入れかえても別の分け方なので割らない 6. 小さい人数で全部書き出し、数が合うか確かめる
| 分け方 | 区別ありの数 | 割る数 | 答え |
|---|---|---|---|
| 9人を3人ずつ3組 | 1680 | 3!=6 | 280 |
| 8人を4人ずつ2組 | 70 | 2!=2 | 35 |
| 6人を2人ずつ3組 | 90 | 3!=6 | 15 |
| 6人を4人と2人の2組 | 15 | 1。人数が違うので割らない | 15 |
| 6人を A 室3人・B 室3人 | 20 | 1。部屋に区別がある | 20 |
- 組合せ
- 順番を考えずに選ぶ数え方。n 個から r 個を選ぶ数は、順列を r! で割った値。8人から3人なら 56通り。
- 順列と組合せの違い
- 並べ順が結果を変えるなら順列、変えないなら組合せ。同じ選び方を r! 通り分だけ重複して数えるかどうかの違い。
- 同じものを含む順列
- 同じものがあるときの並べ方。全部を区別して並べた n! を、同じものの個数の階乗で割る。赤3白2なら 5!/(3!×2!)=10。
- 最短経路
- 碁盤の目を遠回りせず進む道順。東 a 回・北 b 回の移動の並べ替えなので、同じものを含む順列と同じ計算になる。
- 組分け
- 人やものをいくつかの組に分けること。組に名前があれば区別あり、なければ区別なしで、後者は等しい人数の組の個数の階乗で割る。
- 区別のない組
- 名前のついていない組。同じ分け方を組の並べ替えの分だけ重複して数えるため、その分を割って調整する必要がある。
例題 7人から4人の委員を選ぶ方法は何通りか。
選ぶだけなので組合せ。7×6×5×4/(4×3×2×1)=35通り。残す3人を選ぶと考えて 7×6×5/(3×2×1)=35 としても同じ値になる。
例題 白玉2個と黒玉4個を1列に並べる方法は何通りか。同じ色の玉は区別しない。
6個すべてを区別すれば 6!=720通り。白2個の入れかえ 2! と黒4個の入れかえ 4! は同じ並びなので、720/(2×24)=15通り。
例題 4人を2人ずつ2つの組に分ける方法は何通りか。組に区別はない。
区別があるなら 4人から2人を選ぶ6通り。組に区別がないので 2! で割って3通り。実際に書き出すと AB と CD、AC と BD、AD と BC の3通りで一致する。
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確率の型(余事象・独立・条件つき・期待値)
分母と分子の数え方をそろえることから始め、余事象・独立・条件つき確率・期待値までを1つの型でつなげます。
確率は「あてはまる場合の数を、全部の場合の数で割った値」です。ここで大事なのは、分母と分子を同じ数え方でそろえること。2個のサイコロの目の和が7になる確率は、36通りのうち6通りで 1/6 です。目の組を3通りと数えたのなら、分母も組の数で数え直さなければならず、混ぜて 3/36 としてしまうと 1/12 という誤った値になります。「区別して数えるか、しないか」を最初に決めて最後まで通してください。
「少なくとも」が出てきたら余事象です。求める確率は 1 から「起こらない確率」を引いた値になります。硬貨4枚で少なくとも1枚が表になる確率は、4枚とも裏になる確率 1/16 を1から引いて 15/16。直接数えるとちょうど1枚、ちょうど2枚と場合分けが増えるので、余事象のほうが速くて安全です。最後に1から引くのを忘れて 1/16 と答えてしまうのが定番のミスです。
複数の試行を組み合わせるときは、掛けるか足すかを区別します。「A も B も起こる」は掛け算、「A か B のどちらかが起こる。ただし同時には起こらない」は足し算です。互いに影響しない独立な試行なら、そのまま確率を掛けられます。影響する場合、たとえば玉を戻さずに引くときは、2回目の分母が1つ減ります。同時に2個取り出す問題は戻さずに引く場合と同じなので、組合せで数えるのが確実です。なお確率どうしをそのまま足すと1を超えることがあり、そのときは足し算が誤りだと気づけます。
条件つき確率は「分母を狭める」操作です。少なくとも1個は赤とわかっているなら、分母は全体ではなく「少なくとも1個赤」の場合の数に置きかわります。期待値は「値とその確率を掛けたもの」の合計で、くじの賞金なら、はずれの0円も分母に含めて計算します。当たりくじだけで平均すると値が大きく出るので気をつけてください。
確率を求める手順 1. 全部の場合の数を数える。順序を区別するかを先に決めて固定する 2. 分子も同じ数え方であてはまる場合を数える 3. 「少なくとも」なら 1 から余事象を引く 4. 複数の試行は「かつ」で掛け、「または」で足す 5. 玉を戻さないときは2回目の分母が1つ減ることを確認する 6. 条件つきなら分母を条件つきの場合の数に置きかえる 7. 期待値は「値と確率の積」をすべて足す。はずれの0円も分母に入れる
| 場面 | 考え方 | 例 |
|---|---|---|
| 基本 | あてはまる場合の数を全部の場合の数で割る | 和が7 は 6/36=1/6 |
| 少なくとも1つ | 1 から余事象の確率を引く | 硬貨4枚で 1−1/16=15/16 |
| A も B も。独立のとき | 確率どうしを掛ける | 2/3×1/2=1/3 |
| 少なくとも一方。独立のとき | 1 から「両方とも起こらない」を引く | 1−1/3×1/2=5/6 |
| 同時に2個取り出す | 組合せで数える | 白5赤3で両方白 10/28=5/14 |
| 条件つき | 分母を条件にあてはまる場合の数にする | 3/15=1/5 |
| 期待値 | 値と確率を掛けて全部足す | 800/10=80円 |
- 確率
- あてはまる場合の数を、起こりうる全部の場合の数で割った値。分母と分子は同じ数え方でそろえる必要がある。
- 余事象
- そのことがらが起こらない場合。求める確率は 1 から余事象の確率を引いて出す。「少なくとも」の合図。
- 独立
- 一方の結果が他方の確率に影響しないこと。独立なら「A も B も」の確率は、それぞれの確率の積になる。
- 非復元抽出
- 取り出したものを戻さずに次を引くこと。2回目は分母が1つ減る。同時に複数を取り出す場合もこれと同じ扱いになる。
- 条件つき確率
- ある条件が成り立つとわかっているときの確率。分母を全体ではなく、その条件にあてはまる場合の数に置きかえて計算する。
- 期待値
- とりうる値と、その確率を掛けたものをすべて足した平均的な値。くじなら、はずれの0円も分母に含めて計算する。
例題 1個のサイコロを2回投げるとき、少なくとも1回は6が出る確率はいくらか。
余事象は2回とも6以外で 5/6×5/6=25/36。求める確率は 1−25/36=11/36。直接数えると 6が1回だけの10通りと2回の1通りで 11/36 となり一致する。
例題 赤玉2個と白玉3個の袋から同時に2個を取り出すとき、2個とも赤玉である確率はいくらか。
取り出し方は5個から2個で10通り、2個とも赤は1通り。1/10。1個ずつ戻して引くとした (2/5)² の 4/25 は誤りで、同時に取り出す場合は2個目の分母が4に減る。
例題 1本100円のくじが20本あり、当たり1本が1000円、他ははずれで0円のとき、1本引いてもらえる金額の期待値はいくらか。
1000×(1/20)+0×(19/20)=50円。はずれの19本も分母に入れるのがポイントで、当たりだけを見て1000円と答えるのは誤り。
※ SPI3の出題形式(場合の数・確率)に沿った、当サイトのオリジナル教材です(SPI3に公開シラバスはありません)
集合・表の読み取り
2つの集合は4区分の表で考える
ベン図の代わりに「両方・A だけ・B だけ・どちらでもない」の4区分の表を書けば、集合の問題はほぼ機械的に片づきます。
2つの条件が出てくる問題では、全員が必ず「両方・A だけ・B だけ・どちらでもない」の4区分のどれか1つに入ります。重なりもなく、もれもないので、この4つを足すと必ず全体の人数になります。問題文の数値をこの4区分のどれかに置き、足し算と引き算で空欄を埋めていくのが、集合問題でいちばん確実な型です。ベン図を描くより、表のほうがたて・よこの合計で検算できる分だけ安全です。
よくある落とし穴は、「A に当てはまる人が25人」という数値が、A だけの人数ではなく「A だけと両方を足した合計」だということです。だから A だけの人数は A から両方を引いた値になります。少なくとも一方に当てはまる人数は A と B を足して両方を引いた値。両方の人を2回数えてしまうので1回分を引く、というのが包除原理です。引かずに 25+18=43 としてしまうのが最頻出のミスで、全体の40人を超えている時点で気づけます。
どちらでもない人は、全体から少なくとも一方の人数を引いて求めます。逆に、どちらでもない人数が先に与えられていれば、少なくとも一方の人数は全体からそれを引いた値になり、そこから両方の人数を逆算できます。ここで全体の人数をそのまま少なくとも一方の人数の代わりに使ってしまう誤りが多いので、必ず「どちらでもない」を先に引いてから逆算してください。
重なりの人数がわからず、範囲だけを問われることもあります。両方の最小は A と B を足して全体を引いた値、これが負になるときは0。最大は A と B のうち小さいほうです。100人中 A が70人、B が60人なら最小30人、最大60人。答えを出したら、その端の値で実際に4区分へ人を割り振れるかを確かめてください。最小30人なら、両方30人・A だけ40人・B だけ30人・どちらでもない0人で、たしかに100人になります。
4区分の表の書き方 1. たて2行・よこ2列の表をかき、合計の行と列をつける 2. 「両方」の人数を真ん中のマスに入れる 3. A の合計から両方を引いて「A だけ」を入れる 4. B の合計から両方を引いて「B だけ」を入れる 5. 全体から残りの3区分を引いて「どちらでもない」を入れる 6. たての合計とよこの合計が両方向で合うか確かめる
| 区分 | 英語が好き | 英語は好きでない | 合計 |
|---|---|---|---|
| 数学が好き | 10 | 15 | 25 |
| 数学は好きでない | 8 | 7 | 15 |
| 合計 | 18 | 22 | 40 |
- 和集合
- 少なくとも一方に当てはまる人の集まり。人数は A と B を足して両方の人数を引いた値になる。
- 共通部分
- 両方に当てはまる人の集まり。表では真ん中のマスにあたり、ここが決まると他の区分もすべて決まる。
- 補集合
- 全体のうち、その条件に当てはまらない人の集まり。「どちらでもない」は A の補集合と B の補集合が重なった部分。
- 包除原理
- 重なりを2回数えた分だけ引いて調整する数え方。2つなら A と B を足して両方を引く。
- 4区分の表
- 両方・A だけ・B だけ・どちらでもない の4つに分けた表。4つの合計が必ず全体になるので、検算がしやすい。
- 重なりの最大と最小
- 両方の人数がわからないときの範囲。最小は A と B の和から全体を引いた値、最大は A と B の小さいほう。
例題 30人のうち、A に当てはまる人が20人、B に当てはまる人が14人、どちらにも当てはまらない人が4人いる。両方に当てはまる人は何人か。
少なくとも一方は 30−4=26人。両方は 20+14−26=8人。表にすると 両方8・A だけ12・B だけ6・どちらでもない4 で、合計30人になり合う。
例題 50人のうち、A に当てはまる人が32人、B に当てはまる人が21人、両方に当てはまる人が13人いる。A だけに当てはまる人は何人か。
32−13=19人。B だけは 21−13=8人、どちらでもないは 50−(19+8+13)=10人。4区分の合計が50人になることを確かめる。
例題 80人のうち、A に当てはまる人が60人、B に当てはまる人が45人のとき、両方に当てはまる人は最も少なくて何人か。
60+45−80=25人。両方25人・A だけ35人・B だけ20人・どちらでもない0人と割り振れるので、25人は実際に起こりうる。0人だと 60+45=105 となり80人に収まらない。
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3つの集合と包除原理、重なりの最大と最小
3つになっても考え方は同じです。8つの区分に分けた表を書き、包除原理で足し引きする順序を体で覚えます。
3つの集合になっても考え方は同じで、全員は8つの区分のどれか1つに入ります。3つとも、2つだけが3種類、1つだけが3種類、どれでもない、の合計8つです。少なくとも1つに当てはまる人数は、A と B と C を足し、2つずつの重なりを3つ分引き、最後に3つすべての分を足し戻します。これが包除原理です。2つずつの重なりを引くと、3つとも当てはまる人を引きすぎてしまうので、1回だけ足し戻すのだと理解しておくと順序を忘れません。
問題文の「A と B の両方に当てはまる人が12人」という数値は、ふつう3つとも当てはまる人を含んでいます。したがって「A と B だけで C は含まない」人数は、12から3つとも当てはまる人数を引いた値です。ちょうど2つに当てはまる人数は、2つずつの重なりを全部足して、3つとも当てはまる人数の3倍を引いた値になります。ちょうど1つだけの人数は、少なくとも1つの人数から、ちょうど2つと3つともを引けば出ます。
A だけの人数は、A から A と B の重なり、A と C の重なりを引き、3つとも当てはまる人数を足し戻した値です。A から2つの重なりを引くと、3つとも当てはまる人を2回引いてしまうので、1回だけ戻します。8区分の表を作り、3つとも、ちょうど2つ、ちょうど1つ、どれでもない、の順に上から埋めていくと、どんな問われ方をしても同じ手順で答えられます。最後に8区分の合計が全体と一致するかを必ず確かめてください。
3つすべてに当てはまる人の最小値は、当てはまらない人に目を向けると見通しがよくなります。100人中 A が80人なら A でない人は20人、B が70人なら30人、C が60人なら40人。足しても90人までしかいないので、3つのどれかに当てはまらない人は最大でも90人。したがって3つとも当てはまる人は少なくとも 100−90=10人です。式にすると A と B と C の和から全体の2倍を引いた値になります。求めた端の値で実際に人を割り振れるかを確かめると確実です。
3つの集合の解き方 1. 少なくとも1つ は、3つを足し、2つずつの重なりを引き、3つとものぶんを足し戻す 2. どれでもない は、全体から 少なくとも1つ を引く 3. ちょうど2つ は、2つずつの重なりの和から、3つともの3倍を引く 4. ちょうど1つ は、少なくとも1つ から ちょうど2つ と 3つとも を引く 5. A だけ は、A から2つの重なりを引き、3つとものぶんを足し戻す 6. 8区分の合計が全体と一致するか確かめる
| 区分 | 求め方 | 人数 |
|---|---|---|
| 3つとも | そのまま | 5 |
| A と B だけ | 12−5 | 7 |
| B と C だけ | 8−5 | 3 |
| A と C だけ | 10−5 | 5 |
| A だけ | 30−12−10+5 | 13 |
| B だけ | 25−12−8+5 | 10 |
| C だけ | 20−8−10+5 | 7 |
| どれでもない | 60−50 | 10 |
- 包除原理
- 重なりを引きすぎたり足しすぎたりしないよう調整する数え方。3つなら、足す・2つずつの重なりを引く・3つとものぶんを足し戻す、の順。
- ちょうど1つ
- 3つのうち1つだけに当てはまること。A だけは A から2つの重なりを引き、3つとものぶんを足し戻して求める。
- ちょうど2つ
- 3つのうち2つだけに当てはまること。2つずつの重なりの合計から、3つとも当てはまる人数の3倍を引いた値。
- 8区分
- 3つの集合で全員が分かれる8つのグループ。3つとも、2つだけが3種類、1つだけが3種類、どれでもない。
- 補集合から考える
- 当てはまる人ではなく当てはまらない人を数える方法。3つとも当てはまる人の最小値を求めるときに効く。
- 最小値の式
- 3つとも当てはまる人の最小は、A と B と C の和から全体の2倍を引いた値。負になるときは0。
例題 A が20人、B が18人、C が15人、A と B が7人、B と C が6人、A と C が5人、3つとも3人のとき、少なくとも1つに当てはまる人は何人か。
20+18+15−7−6−5+3=38人。最後の +3 を忘れると35人になるので注意する。
例題 上と同じ数値のとき、ちょうど2つだけに当てはまる人は何人か。
(7−3)+(6−3)+(5−3)=4+3+2=9人。ちょうど1つだけは 38−9−3=26人で、9と3と26を足すと38になり合う。
例題 50人のうち、A が40人、B が35人、C が30人のとき、3つとも当てはまる人は最も少なくて何人か。
当てはまらない人はそれぞれ10人、15人、20人で合計45人。50−45=5人。式では 40+35+30−2×50=5人。両方の重なりを大きくとれば、実際に5人で割り振れる。
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クロス集計表の読み取り。割合の分母を間違えない
行と列の合計を先に埋めて空欄を作らないこと、そして「何に対する割合か」を毎回確かめること。この2つで表の問題は落とさなくなります。
クロス集計表は、2つの見方で人を分けた表です。行の合計・列の合計・総合計がそろっているかを最初に確かめると、読み違いが激減します。表の一部が空欄でも、行の合計と列の合計から引き算で必ず埋まります。空欄が2つ以上あるときは、合計の行と列を先に埋めてから内側のマスに戻るのがコツです。埋め終わったら、たてとよこの両方向で合計が合うかを確かめてください。
割合を問われたら、まず「何に対する割合か」を確かめます。同じ72人でも、20代120人の中での割合なら60%、回答者300人の中での割合なら24%、利用経験者150人の中での割合なら48%です。問題文の「20代のうち」「全体の」「利用者に占める」という言葉が分母を指定しているので、そこに線を引く習慣をつけてください。分母を取り違えるのが、表の問題で最も多い失点です。
人数と割合が混ざった表では、割合を掛ける相手の人数が違うことに注意します。営業部240人の30%と、営業部以外160人の20%を合わせるとき、30と20を平均して25%とするのは誤りです。人数が違うので、それぞれ 240×0.3=72人 と 160×0.2=32人 を出して足し、104人とします。全体に対する割合は 104/400=0.26 で26%となり、25%とはずれます。割合どうしは、人数に直してからでないと足せません。
複数条件の絞り込みは、条件を1つずつ表の外側から内側へ適用します。「資格を持ち、かつ管理職でない」なら、まず資格を持つ人を取り出し、そこから管理職を引きます。男女で分かれているときは、男女それぞれで計算してから足すと安全です。最後に、求めた人数が表のどの合計よりも大きくなっていないかを見直してください。合計を超えていたら、どこかで分母か引き算を間違えています。
表の読み取りの手順 1. 行の合計・列の合計・総合計を先に書き込む 2. 空いているマスを、合計からの引き算で埋める 3. 割合を聞かれたら、分母がどれかを問題文で確認する 4. 人数の違うグループの割合は、平均せずそれぞれ人数に直してから足す 5. 複数条件は外側から順に絞り込み、途中の値が合計を超えないか見る 6. たてとよこの合計が両方向で合うかを最後に確かめる
| 区分 | 賛成 | 反対 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 男性 | 70 | 50 | 120 |
| 女性 | 40 | 40 | 80 |
| 合計 | 110 | 90 | 200 |
- クロス集計表
- 2つの見方で人を分けた表。行と列の合計、そして総合計がそろうことが正しさの確認になる。
- 行の合計と列の合計
- 表の周辺に置く合計。空欄のマスは、この合計からの引き算で必ず埋められる。
- 分母
- 割合を計算するときに全体とみなす数。問題文の「うち」「全体の」「に占める」という言葉が指定している。
- 構成比
- 全体に占める各項目の割合。売上が全項目そろって同じ割合で増えたときは、構成比は変わらない。
- 加重平均
- 人数の違うグループの割合をまとめるときの平均。それぞれの人数を掛けて足し、全体の人数で割る。単純平均では誤る。
- 絞り込み
- 複数の条件で人数を狭めていく作業。外側の条件から順に適用し、途中の値が合計を超えていないかを確かめる。
例題 回答者150人のうち、女性は90人、ある商品を知っている人は100人、女性で知っている人は65人だった。男性で知らない人は何人か。
男性は 150−90=60人、男性で知っている人は 100−65=35人。よって男性で知らない人は 60−35=25人。表を埋めると 男性 35と25、女性 65と25、合計 100と50 で150人になり合う。
例題 社員300人のうち40%が技術職である。技術職の25%と、それ以外の10%が資格を持つとき、資格を持つ社員は何人か。
技術職は120人でそのうち30人、それ以外は180人でそのうち18人。合わせて48人。25と10を平均した17.5%を300人に掛けるのは、人数が違うので誤り。
例題 ある店の売上は、先月が商品 A 150万円・商品 B 50万円、今月が商品 A 180万円・商品 B 60万円だった。売上全体に占める商品 A の割合はどう変わったか。
先月は 150/200=0.75、今月は 180/240=0.75 で変わらない。A も B も20%増えているため、構成比は動かない。売上の伸び率と構成比の変化は別物である。
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二語関係・語句の意味
二語関係の型を見分ける(同義・対義・包含)
二語関係は語彙力の勝負に見えて、実は「関係を一文に言い換えられるか」の勝負です。まず出題の中心である同義・対義・包含を、あてはめ文で機械的に判定できるようにします。
二語関係は「A:B」という組が示され、それと同じ関係の組を選ぶ形式です。ここでつまずく人の多くは、語の意味だけを見て「なんとなく似ている」で選んでしまいます。そうではなく、左右の語を必ず一つの文にはめて、その文が成り立つかどうかで判定してください。あてはめ文が決まれば、答えは語感ではなく文の成否で決まるので、迷いが消えます。
同義か対義かは、二語が一つの軸の両端になっているかで決まります。収入と支出はお金の出入りという一つの軸の両端ですが、手段と方法は軸の両端ではなく、同じ位置を指しています。「AはBと反対の意味である」「AはBとほぼ同じ意味である」のどちらの文にはまるかで確かめてください。
包含は「AはBの一種である」という上下関係で、ここだけは左右の順序が答えを左右します。楽器とピアノなら、ピアノが楽器の一種なので「楽器はピアノを含む」、つまり左が上位語です。逆にすずめと鳥類なら、すずめが鳥類の一種なので「左は右に含まれる」、つまり左が下位語です。設問の組が上位語から始まっているなら、選択肢も上位語から始まっているものを選ばなければなりません。向きを取り違えさせるひっかけは頻出なので、型を決めたら必ず順序まで確かめてください。
本番では一組あたり数秒しかかけられません。そこで、あてはめ文を口の中で唱える順番を固定しておきます。同じ意味か、反対の意味か、一種かどうか、の三つを先に試し、どれも通らなければ次の講義で扱う役割・原料・並列・一組へ進む、という流れです。なお出題される組は、辞書的に型が一つに定まるものだけです。二通りに読めそうだと感じたら、たいていは読み違えているので、あてはめ文に戻って確かめてください。
二語関係の解き方(手順) 1. 左右の語を「AはBの◯◯である」の形にはめてみる 2. 「AはBと同じ意味である」が通れば同義 3. 「AはBと反対の意味である」が通れば対義 4. 「AはBの一種である」が通れば包含(左が下位語) 5. 「BはAの一種である」が通れば包含(左が上位語) 6. 型が決まったら、左右の順序まで含めて選択肢と照合する 7. どれも通らなければ、役割・原料・並列・一組を順に試す
| 型 | 例 | 見分け方(あてはめ文) |
|---|---|---|
| 同義 | 使命:任務 | AはBと同じ意味である |
| 対義 | 収入:支出 | AはBと反対の意味である |
| 包含(含む) | 楽器:ピアノ | BはAの一種である |
| 包含(含まれる) | すずめ:鳥類 | AはBの一種である |
| 役割(用途) | はさみ:切断 | AはBのために使う道具である |
| 原料(材料) | 豆腐:大豆 | AはBを材料として作られる |
| 並列(同列) | 松:杉 | AとBは同じ上位語をもつ仲間である |
| 一組(セット) | 針:糸 | AとBは二つそろえて一つの働きをする |
- 二語関係
- 「A:B」という二つの語の結び付き方のこと。同義・対義・包含・役割・原料・並列・一組などの型に分類して考える。
- 同義(同意語)
- 二語の意味がほぼ同じである関係。「AはBと同じ意味である」があてはまる。例: 使命:任務、手段:方法。
- 対義(反意語)
- 二語が一つの軸の両端をなし、意味が反対である関係。「AはBと反対の意味である」があてはまる。例: 収入:支出。
- 包含
- 一方がもう一方を仲間として含む関係。「AはBの一種である」があてはまる。左右どちらが上位語かで二種類に分かれる。
- 上位語
- より広い範囲を指す語。楽器とピアノなら楽器が上位語。包含の組では、上位語が左に来るか右に来るかを必ず確認する。
- 下位語
- 上位語に含まれる、より狭い範囲を指す語。楽器とピアノならピアノが下位語。すずめ:鳥類は下位語から始まる組。
例題 「賛成:同意」と同じ関係にある組を、次から選べ。ア 楽器:ピアノ/イ 拡大:縮小/ウ 露見:発覚
ウ。賛成は同意と同じ意味なので同義。露見と発覚もどちらも「隠れていたことが明るみに出る」で同義。アは包含、イは対義。
例題 「家具:たんす」と「チューリップ:花」は、同じ関係といえるか。
いえない。どちらも包含だが向きが逆。家具はたんすを含む上位語から始まる組、チューリップは花に含まれる下位語から始まる組。包含は必ず順序まで確認する。
例題 「単純:複雑」の型を、あてはめ文で確かめよ。
「単純は複雑と同じ意味である」は通らない。「単純は複雑と反対の意味である」は通る。よって対義。片方を打ち消すともう一方になる点も対義の目印。
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二語関係の型を見分ける(役割・原料・並列・一組)
同義・対義・包含で決まらなかった組は、道具か、材料か、仲間か、セットかの四つに分かれます。それぞれ専用のあてはめ文を持っておけば、残りの型も一発で決まります。
役割は用途とも呼ばれ、「AはBのために使う道具である」があてはまる型です。はさみと切断、温度計と測定、消火器と消火のように、左に道具、右にその働きが来ます。ここで大事なのは、右側が必ず動作や働きを表す語になることです。右が物であれば役割ではありません。逆に、左右を入れ替えた「切断:はさみ」という組はまず出題されないので、道具が左に来ていることを目印にできます。
原料は材料とも呼ばれ、「AはBを材料として作られる」があてはまる型です。豆腐と大豆、ワインとぶどう、絹と繭のように、左に完成品、右にその材料が来ます。包含と混同しやすいので注意してください。豆腐は大豆の一種ではなく、大豆から加工されて別のものになっています。「一種である」が通れば包含、「材料にして作る」が通れば原料、と切り分けます。
並列は同列ともいい、「AとBは同じ上位語をもつ仲間である」があてはまる型です。松と杉はどちらも樹木、銅と鉄はどちらも金属、短歌と俳句はどちらも定型詩です。判定のこつは、共通の上位語を実際に口に出して言えるかどうかです。上位語が言えなければ並列ではありません。なお並列の二語は対等なので、左右を入れ替えても関係は変わりません。
一組はセットともいい、「AとBは二つそろえて一つの働きをする」があてはまる型です。針と糸、弓と矢、印鑑と朱肉のように、片方だけでは用をなさない組み合わせを指します。並列との違いは、同じ仲間かどうかではなく、組み合わせて初めて機能するかどうかです。針と糸は同じ仲間ではありませんが、そろって初めて縫うという働きが生まれます。逆に、共通の上位語がすぐ言える組なら、それは一組ではなく並列を疑ってください。
残り四つの型を決める手順 1. 右が働きや動作を表す語か。そうなら「AはBのために使う道具である」を試す 2. 通れば役割(用途)。通らなければ次へ 3. 「AはBを材料として作られる」を試す。通れば原料(材料) 4. 共通の上位語を一語で言えるか試す。言えれば並列(同列) 5. 片方だけでは用をなさないか試す。そうなら一組(セット) 6. 役割・原料は左右の順序が決まっている。並列・一組は対等 7. 最後に、設問の組と選択肢の組で同じあてはめ文が通るか確かめる
| 型 | あてはめ文 | 例と確認のしかた |
|---|---|---|
| 役割(用途) | AはBのために使う道具である | 冷蔵庫:保存。右が働きを表す語かを見る |
| 原料(材料) | AはBを材料として作られる | 陶器:粘土。左が加工後の別のものかを見る |
| 並列(同列) | AとBは同じ上位語をもつ | 小麦:大麦。共通の上位語を口に出せるか |
| 一組(セット) | AとBは二つそろえて用いる | 弓:矢。片方だけで用をなすかを試す |
| 包含との区別 | AはBの一種である | 通れば包含。通らず材料なら原料 |
- 役割(用途)
- 左の道具を、右の働きのために使う関係。「AはBのために使う道具である」があてはまる。例: はさみ:切断、洗剤:洗浄。
- 原料(材料)
- 左の完成品が、右の材料から作られる関係。「AはBを材料として作られる」があてはまる。例: ワイン:ぶどう、陶器:粘土。
- 並列(同列)
- 二語が同じ上位語をもつ対等な仲間である関係。例: 松:杉(ともに樹木)、銅:鉄(ともに金属)。
- 一組(セット)
- 二つそろえて初めて一つの働きをする関係。例: 針:糸、弓:矢。片方だけでは用をなさない点が並列との違い。
- 完成品
- 原料の関係で左に置かれる、加工して出来上がったもの。豆腐・和紙・かまぼこなど。右の材料とは別のものになっている点が包含との違い。
- 共通の上位語
- 並列かどうかを決める手がかり。松と杉なら樹木、みかんとりんごなら果物。これが言えなければ並列ではない。
例題 「顕微鏡:観察」の型を、あてはめ文で確かめよ。
右の観察は働きを表す語。「顕微鏡は観察のために使う道具である」が通るので役割(用途)。「顕微鏡は観察を材料として作られる」は通らないので原料ではない。
例題 「みかん:りんご」と「かまぼこ:魚肉」は同じ型か。
違う。みかんとりんごは共通の上位語である果物が言えるので並列。かまぼこは魚肉を材料として作られるので原料。上位語が言えるかどうかが分かれ目。
例題 「針:糸」が並列ではなく一組である理由を述べよ。
針と糸に共通する上位語が言えない。一方で、針だけでも糸だけでも縫うことはできず、二つそろって初めて働く。よって一組(セット)。
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語句の意味(漢語・慣用句・四字熟語)
語句の意味は、知っているかどうかで決まる分野です。ただし出題されるのは辞書に載っている語義だけなので、誤用されやすい語を辞書の意味で覚え直しておけば、確実に得点できます。
語句の意味の問題は、示された語の意味として最も適切なものを四つから選ぶ形式が中心です。判定の基準はあくまで辞書の語釈であって、日常でどう使われがちかではありません。ここが最大の落とし穴で、割愛・役不足・気が置けない・情けは人のためならずなど、世間で反対の意味に取られやすい語ほどよく狙われます。まずはこの「誤用されやすい語」を優先して押さえてください。
漢語は、漢字一字ずつの意味に分解すると当たりがつきます。割愛は「愛を割く」、つまり惜しいと思うものを思い切って手放すことです。単に不要なものを省くことではありません。更迭の迭には「かわる」の意味があり、地位にある人を別の人に入れかえることを指します。示唆の唆は「そそのかす」で、そこから「それとなく気づかせる」の意味になります。字の意味に立ち返る癖をつけると、初めて見る語でも半分は絞れます。
慣用句とことわざは、字面から意味を推測すると逆になることがあります。気が置けないの「置けない」は気づかいを置く必要がないという意味で、うちとけられる相手を表します。油断できないという意味ではありません。役不足は、役目のほうが軽すぎて力量に見合わないことで、力不足の反対です。情けは人のためならずは、情けをかければめぐりめぐって自分に返ってくるという意味で、甘やかしを戒めることばではありません。
四字熟語は、出典の場面をひとことで思い出せるようにしておくと定着します。呉越同舟は、敵対する呉と越の人が同じ舟に乗り合わせた故事から、仲の悪い者どうしが同じ場に居合わせることを指します。他山の石は、よその山から出た粗末な石でも自分の玉をみがくのに使える、という詩句から、他人のよくない言動も自分の修養の助けになる、という意味になります。手本にするという意味ではないので、そこが問われます。五里霧中は、五里四方にたちこめた霧の中という情景から、見通しが立たない状態を表します。
語句の意味を選ぶ手順 1. 漢語は漢字一字ずつの意味に分解する(割愛なら「愛を割く」) 2. 分解した意味に最も近い選択肢を仮の答えにする 3. 世間でよく言われる言い方に引きずられていないか点検する 4. 慣用句は、打消しの語(ない・ならず)の係り先を確かめる 5. 四字熟語は、出典の場面を一文で思い出す(呉越同舟なら同じ舟) 6. 残りの三つが、なぜ別の語の説明になっているかを言えるか確かめる 7. 言えなければ、その語はまだ覚え直しが必要と判断する
| 語 | 辞書の意味 | よくある思いこみ |
|---|---|---|
| 割愛 | 惜しみながら思い切って省く | 不要だから省く |
| 役不足 | 役目が軽すぎる | 力量が足りない |
| 気が置けない | 遠慮がいらず、うちとけられる | 油断できない |
| 他山の石 | 他人の悪い点を自分の戒めにする | 他人の長所を手本にする |
| 情けは人のためならず | 親切は自分に返ってくる | 甘やかすと本人のためにならない |
| 敷衍 | 意味をおしひろげてくわしく説明する | 短く要約する |
- 割愛
- 惜しいと思うものを、思い切って手放したり省いたりすること。「不要なものを捨てる」ではない点が問われる。
- 役不足
- その人の力量に対して、与えられた役目が軽すぎること。力量が足りない意味の「力不足」とは逆。
- 気が置けない
- 気づかいをする必要がなく、うちとけられること。「油断できない」という意味で使うのは誤り。
- 他山の石
- 他人のよくない言動も、自分をみがく助けになるということ。すぐれた行いを手本にする意味ではない。
- 杞憂
- しなくてもよい心配をすること。天が落ちてこないかと憂えた杞の国の人の故事から。
- 換骨奪胎
- 先人の作品の趣向や表現を生かしながら、独自の作品に作り変えること。まる写しにすることではない。
例題 「割愛する」を辞書の意味どおりに使った文はどちらか。ア 不要な資料は割愛した。/イ 紙数の都合で、大切な図表を割愛した。
イ。割愛は惜しいものを思い切って省くこと。アのように、もともと不要なものを省く場面には使わない。
例題 「彼にこの役は役不足だ」は、彼をほめているか、けなしているか。
ほめている。役目のほうが彼の力量に対して軽すぎる、という意味。けなす意味で使いたいなら「力不足」を用いる。
例題 「情けは人のためならず」の「ならず」は、どこにかかるか。
「人のため」にかかる。「人のためだけにするのではない」という意味で、めぐりめぐって自分に返ってくることを表す。「人のためにならない」と読むのは誤り。
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語句の用法
多義語の用法を見分ける(動詞・名詞)
語句の用法は、例文の語を別の言い方に置きかえてみるだけで決まります。「かける」「とる」「あたる」のような多義語を、言いかえテストで一つの意味に絞る手順を身につけます。
語句の用法の問題は、例文中の語と同じ意味・用法で使われている選択肢を選ぶ形式です。ここでよくある失敗は、選択肢を上から順に読んで「なんとなく似ている」で決めてしまうことです。多義語は意味の数だけ用法があるので、似ている感じでは絞れません。かわりに、例文の語を別の語に言いかえて、意味が変わらない言いかえを一つ見つけてください。その言いかえが通る選択肢が答えです。
たとえば「壁に時計をかける」の「かける」は、「つるす」に言いかえても意味が変わりません。そこで選択肢を一つずつ「つるす」に置きかえてみます。「肩にかばんをかける」は「肩にかばんをつるす」で通りますが、「みそ汁に七味をかける」を「つるす」にすると意味が壊れます。このように、言いかえが通るか通らないかは客観的に判定できるので、語感に頼らずにすみます。
言いかえの語は、なるべく一語の別の動詞にするのがこつです。かけるなら、つるす・注ぐ・費やす・通話する・座る・掛け算する。とるなら、手に持つ・取り除く・手に入れる・年齢を重ねる・やりとりする。あたるなら、命中する・的中する・該当する・光が届く・担当する。この対応表を先に思い出せると、選択肢を読む前に候補が絞れます。
名詞にも同じ手が使えます。「働き口」の口は「勤め先」に言いかえられますが、「びんの口」の口は「開いているところ」、「口が堅い」の口は「ことば」です。言いかえの語を当てはめて、文として自然に読めるかどうかだけを見ます。なお本番では、判断に迷う微妙な例文は出ません。迷ったと感じたときは、たいてい言いかえの語の選び方が大ざっぱすぎるので、もう一段具体的な語に置きかえ直してください。
多義語の用法を決める手順 1. 例文の語に下線を引き、その語だけを取り出す 2. 意味の変わらない言いかえの一語を作る(かけるなら「つるす」など) 3. その言いかえを、選択肢の文に一つずつ当てはめる 4. 当てはめて意味が壊れないものが一つだけ残るはず 5. 二つ残ったら、言いかえの語がおおざっぱすぎる。もっと具体的な語にする 6. 残った選択肢について、なぜ壊れるかを一言で言えるか確かめる 7. 名詞の場合も同じで、「勤め先」「開いているところ」のように言いかえる
| 語 | 用法 | 言いかえと例文 |
|---|---|---|
| かける | つるす | つるす。壁に時計をかける |
| かける | 上から注ぐ | 注ぐ。ごはんに汁をかける |
| かける | 費やす | 費やす。準備に三日をかける |
| とる | 取り除く | 除く。上着のしみをとる |
| とる | 手に入れる | 得る。運転免許をとる |
| あたる | 光が届く | 照る。この部屋は日があたる |
| あたる | 該当する | 相当する。彼は私のおじにあたる |
| ひく | 差し引く | 減じる。代金から手数料をひく |
- 多義語
- 一つの語形で複数の意味をもつ語。かける・とる・あたる・つく・ひくなど、和語の基本動詞に多い。
- 言いかえテスト
- 例文の語を別の一語に置きかえ、意味が変わらないかどうかで用法を判定する方法。語感に頼らずに済むのが利点。
- 用法
- 語がその文の中でどの意味・どの働きで使われているか。同じ語形でも用法が違えば、別のものとして扱う。
- 補助動詞
- 「使ってみる」の「みる」のように、前の動詞に付いて意味をそえる使い方。本来の「見る」とは別の用法として区別する。
- 本義と転義
- 本来の意味が本義、そこから広がった意味が転義。「風邪をひく」の「ひく」は「引っぱる」からの転義で、別用法になる。
- 共起する語
- その語といっしょに使われやすい語。「許可をとる」「資格をとる」のように、目的語を見れば用法が絞れることが多い。
例題 「準備に三日をかける」の「かける」を、言いかえテストで判定せよ。
「費やす」に置きかえると「準備に三日を費やす」で意味が変わらない。よって費やすの用法。「つるす」「注ぐ」に置きかえると意味が壊れるので、その用法ではない。
例題 「運転免許をとる」と「部屋のごみをとる」は同じ用法か。
違う。前者は「手に入れる」に言いかえられ、後者は「取り除く」に言いかえられる。目的語が資格や許可なら手に入れる、汚れやごみなら取り除く、と覚えておくと速い。
例題 「一度使ってみる」の「みる」は、何の用法か。
「試しに使う」と言いかえられるので、前の動詞に付いて「試しに」の意味をそえる補助動詞の用法。「窓から外をみる」の視覚の意味とは区別する。
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助詞の用法(で・に・の・と・から)
助詞の用法は、覚える種類が決まっているので得点源にしやすい分野です。「で」「に」「の」「と」「から」について、用法ごとの見分けの合いことばを用意しておきます。
助詞は、それ自体には具体的な意味がなく、前後の語の関係を示します。同じ「で」でも、場所・手段・原因・材料と役割が変わるので、どの役割で働いているかを言い当てるのが問題です。ここでも語感ではなく、置きかえで判定します。場所の「で」は「において」、手段の「で」は「を使って」、原因の「で」は「のために」、材料の「で」は「を材料として」に置きかえられます。
「に」は用法が多いので、前後に何が来るかで整理します。時を表す語に付けば時の用法、場所を表す語に付いて存在の動詞と結べば存在の用法、着く・届くのような到達を表す動詞と結べば帰着点の用法です。なる・変わるといった変化の動詞と結べば変化の結果、人に付いて受身の動詞と結べば動作主を示す用法になります。動詞のほうを先に見るのが、「に」を速く処理するこつです。
「の」でよく問われるのは、主格の用法です。「花の咲く季節」の「の」は「が」に置きかえて「花が咲く季節」としても意味が変わりません。これが主格の用法で、連体修飾の中でだけ起こります。一方、「赤いのをください」の「の」は「もの」に置きかえられ、名詞のかわりをしています。これが体言の代用です。「わたしの本」のような所有の用法とは、いずれも別に扱います。
「と」は、相手・並列・引用・条件の四つを押さえます。条件の「と」は「押すと開く」のように、前が起こればいつも後が起こる関係を表し、「ば」に置きかえられます。「から」は、起点と原料と理由の三つです。原料の「から」は「牛乳からバターを作る」のように、材料が加工されて姿を変える場合に使い、「で」に近い働きをします。理由の「から」は「ので」に置きかえられるので、すぐ見分けられます。
助詞の用法を決める手順 1. まず述語の動詞を見る(着く・なる・作る・れる) 2. 「で」なら、「において」「を使って」「のために」「を材料として」を順に試す 3. 「に」なら、時を表す語か、到達の動詞か、変化の動詞か、受身かを見る 4. 「の」なら、「が」に置きかえられるか、「もの」に置きかえられるかを試す 5. 「と」なら、「ば」に置きかえられるかで条件かどうかを決める 6. 「から」なら、「ので」に置きかえられるかで理由かどうかを決める 7. 置きかえが通った用法と同じものを、選択肢から一つだけ選ぶ
| 助詞 | 用法 | 置きかえ | 例文 |
|---|---|---|---|
| で | 場所 | において | 図書館で本を読む |
| で | 手段 | を使って | はさみで紙を切る |
| で | 原因 | のために | 大雪で列車が遅れる |
| で | 材料 | を材料として | 大豆でしょうゆを造る |
| に | 時 | その時点で | 毎朝七時に起きる |
| に | 帰着点 | のところまで | 登山隊が山頂に着く |
| に | 変化の結果 | という状態へ | 氷がとけて水になる |
| の | 主格 | が | 花の咲く季節 |
| の | 体言の代用 | もの | 大きいのがほしい |
| と | 条件 | ば | ボタンを押すと扉が開く |
| から | 原料 | を材料として | 牛乳からバターを作る |
- 格助詞
- 名詞に付いて、その語と述語との関係を示す助詞。が・を・に・で・と・から・より・へ・のがこれにあたる。
- 手段の「で」
- 道具や方法を示す用法。「を使って」に置きかえられる。例: はさみで紙を切る。
- 材料の「で」
- 作るもとになるものを示す用法。「を材料として」に置きかえられる。例: 粘土で皿を作る。
- 帰着点の「に」
- 動作が行き着く先を示す用法。着く・届く・入るなど到達を表す動詞と結び付く。例: 山頂に着く。
- 主格の「の」
- 連体修飾の中で主語を示す用法。「が」に置きかえられる。例: 花の咲く季節(花が咲く季節)。
- 体言の代用
- 「の」が名詞のかわりをする用法。「もの」に置きかえられる。例: 大きいのがほしい(大きいものがほしい)。
例題 「木で本棚を作る」の「で」は、手段か材料か。
材料。「木を材料として本棚を作る」で通る。手段なら「木を使って」となるが、この文では木そのものが本棚になっているので材料。のこぎりで作る、なら手段。
例題 「姉の作った料理」の「の」はどの用法か。
主格。「姉が作った料理」と言いかえられるので、「が」に置きかえられる主格の「の」。連体修飾の「の」とは区別する。
例題 「寒いから窓を閉める」と「米から酒を造る」の「から」は、どこが違うか。
前者は理由、後者は原料。「〜を材料にして」と言いかえられるかで見分ける。
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助動詞の用法(れる・られる/ようだ/らしい/そうだ/ない)
助動詞の識別は、覚える型が少ないうえに判定手順がはっきりしているので、確実に取れる分野です。受身・可能・自発・尊敬の四択と、ようだ・らしい・そうだ・ないの見分け方を固めます。
「れる・られる」には受身・可能・自発・尊敬の四つの用法があり、これがこの分野の中心です。判定は、決まった言いかえを順に試すだけです。受身は「〜される側だ」と言え、動作をする相手を「に」で示せます。可能は「〜することができる」に置きかえられます。自発は「自然と〜される」と言え、思う・案じる・しのぶのように心の働きを表す動詞に限られます。尊敬は主語が敬うべき人で、「お〜になる」に置きかえられます。
この四つは、主語が誰かを見ると速く絞れます。主語が敬うべき人で、「お〜になる」が通るなら尊敬。主語が自分や物で、動作主が「に」で示されていれば受身。動詞が心の働きを表していれば自発。そのどれでもなく能力の話をしていれば可能です。四つのうち二つが同時に成り立つ例文は出題されないので、一つに決まるまで言いかえを試してください。
「ようだ」は、比況・推定・例示・目的の四つです。比況は「まるで」を補えるもの、推定は「どうやら」を補えるもの、例示は「たとえば」を補えるもの、目的は「〜するために」に置きかえられるものです。補える副詞が一つに決まるので、迷ったら三つとも声に出して試します。「らしい」は、「どうやら」を補える推定の助動詞か、「いかにも〜にふさわしい」と言える接尾語かの二つです。「そうだ」は、「〜と聞いた」と言えれば伝聞、「今にも」を補えれば様態です。
「ない」は品詞の識別が問われます。動詞に付く「ない」は打消の助動詞で、「ぬ」に置きかえられます。「行かない」は「行かぬ」となるので助動詞です。一方「少ない」「危ない」は、それ全体で一語の形容詞であり、「ない」は語の一部です。「少ぬ」とは言えないことで確かめられます。形容詞や形容動詞に付く「冷たくない」の「ない」は補助形容詞で、「冷たくぬ」とは言えず、かわりに「は」をはさんで「冷たくはない」と言えるのが目印です。
助動詞の用法を決める手順 1. 「れる・られる」は、まず主語が敬うべき人かを見る。そうなら尊敬を疑う 2. 「お〜になる」に置きかえて通れば尊敬 3. 動作主が「に」で示されていれば受身 4. 動詞が思う・案じるなど心の働きなら自発 5. 「することができる」に置きかえて通れば可能 6. 「ようだ」は、「まるで」「どうやら」「たとえば」を順に補ってみる 7. 「ない」は「ぬ」に置きかえる。通れば打消の助動詞、通らなければ形容詞側
| 語 | 用法 | 判定のしかた | 例文 |
|---|---|---|---|
| れる・られる | 受身 | 動作主を「に」で示せる | 先生に注意される |
| れる・られる | 可能 | することができる | この漢字なら覚えられる |
| れる・られる | 自発 | 自然とそうなる | 母の身が案じられる |
| れる・られる | 尊敬 | お〜になる | 部長が会場に入られる |
| ようだ | 比況 | 「まるで」を補える | 積もった雪のように白い |
| ようだ | 推定 | 「どうやら」を補える | 彼は事情を知っているようだ |
| ようだ | 目的 | 「するために」に置きかえ | 遅れないように早めに出る |
| らしい | 推定の助動詞 | 「どうやら」を補える | 明日は雨になるらしい |
| らしい | 接尾語 | 「いかにも」にふさわしい | 今日は春らしい暖かさだ |
| そうだ | 伝聞 | 「と聞いた」に置きかえ | 明日は晴れるそうだ |
| そうだ | 様態 | 「今にも」を補える | 今にも雨が降りそうだ |
| ない | 打消の助動詞 | 「ぬ」に置きかえられる | この本はまだ読まない |
- 受身
- 他から動作を受けることを表す「れる・られる」の用法。動作をする相手を「に」で示せる。例: 先生に注意される。
- 可能
- 「〜することができる」の意味を表す用法。例: この漢字なら覚えられる。能力や条件が話題になっている。
- 自発
- しようとしなくても自然にそうなることを表す用法。思う・案じる・しのぶなど心の働きの動詞に限られる。
- 尊敬
- 動作をする人を敬う用法。主語が敬うべき人で、「お〜になる」に置きかえられる。例: 部長が会場に入られる。
- 比況と推定
- 「ようだ」のうち、「まるで」を補えるのが比況、「どうやら」を補えるのが推定。補える副詞で決まる。
- 補助形容詞の「ない」
- 形容詞などに付く「ない」。「ぬ」に置きかえられず、「は」をはさんで「冷たくはない」と言えるのが目印。
例題 「社長が説明される」の「れる」はどの用法か。
尊敬。「お〜になる」に言いかえて意味が通るかで見分ける。受身なら「〜によって」を補える。
例題 「氷のように冷たい手」と「熱があるようだ」の違いは何か。
前者は「まるで氷のように」と「まるで」を補えるので比況。後者は「どうやら熱があるようだ」と「どうやら」を補えるので推定。補える副詞が違えば用法も違う。
例題 「読まない」の「ない」は助動詞か形容詞か。
助動詞。「読まぬ」と言いかえられるものが打消の助動詞。「少なくない」のように「ぬ」に置きかえられないものは形容詞。
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文の並べ替え・空欄補充
文の並べ替え(先頭を決めて、指示語で鎖をつなぐ)
バラバラのア〜オを並べる問題は、勘で読むと必ず迷います。先頭になれない文を消し、指示語と接続語で二文ずつつないでいく型を覚えれば、順序は一本の鎖のように決まります。
並べ替えの問題は、五つの文を頭から読んで「なんとなく自然な流れ」を探すと時間だけが過ぎます。やることは一つで、文と文をつなぐ目印を拾い、二文ずつの前後関係を確定していくことです。前後関係が四組決まれば、五文の順序は自動的に一通りに定まります。
最初に決めるのは先頭です。先頭になれるのは、前の文がなくても意味が通る文だけです。「この」「その」「これ」「それ」といった指示語で始まる文は、指す相手が前にないと成り立たないので先頭になれません。「しかし」「だから」「つまり」などの接続語で始まる文も同じで、受けるべき前文が必要です。逆に、話題になる言葉が初めて出てくる文、しかも指示語も接続語も持たない文が先頭の候補になります。多くの問題では、この条件を満たす文は一つしかありません。
先頭が決まったら、残りの文が持つ目印を順に拾います。指示語は、それが指す語が出てくる文のすぐ後ろに置くのが原則です。「その熱」とあれば、直前に熱の話がなければいけません。同じ語の言い換え、たとえば前の文の「水が蒸発する」を受けた「蒸発が速いほど」のような形も、同じはたらきをします。接続語は向きを教えてくれます。「しかし」なら前後は反対、「だから」なら前が原因で後ろが結果、「たとえば」なら前が一般論で後ろが具体例です。
末尾も見当がつきます。「このように」「つまり」「こうして」で始まり、全体を言い直している文は、まとめなので最後に置きます。まとめの文が途中に入ると、その後ろの文が浮いてしまうからです。先頭とまとめを両端に固定してしまえば、残り三文の並びを考えるだけで済みます。最後に、自分が作った順序で通して読み、指示語の指す先がすべて自分より前にあるかを一つずつ確かめてください。ここまでやって初めて、答えは一通りだと言えます。
文の並べ替えの手順 1. 指示語や接続語で始まる文に印をつけ、先頭候補から外す 2. 残った文のうち、中心になる語が初めて出てくる文を先頭に決める 3. 「このように」「こうして」で始まるまとめの文を末尾に置く 4. 指示語のある文を、指す語が出てくる文のすぐ後ろにつなぐ 5. 接続語の向き(逆接・順接・例示・換言)で残りの前後を決める 6. できた順序で通して読み、指す先がすべて自分より前にあるか確かめる 7. 選択肢を見て、条件を一つでも破る順序を消す
| 文の中の目印 | 示していること | 位置の決まり方 |
|---|---|---|
| この・その・これ・それ | 前に出た語や内容を指す | 指す相手のある文より後ろ。先頭にはならない |
| しかし・ところが | 前と反対のことを言う | 反対にできる前文のすぐ後ろ |
| だから・そのため | 前が原因、後ろが結果 | 原因を述べた文のすぐ後ろ |
| たとえば | 前が一般論、後ろが具体例 | 一般論の文のすぐ後ろ |
| つまり・要するに | 前を言い換える | 言い換えられる文のすぐ後ろ |
| このように・こうして | 全体をまとめる | 原則として末尾 |
| 指示語も接続語もない | 話題を初めて出す | 先頭の候補 |
- 指示語
- 「これ・それ・この・その・こうした」など、前に出てきた語や内容を指す言葉。指す相手より前には置けないので、並べ替えでは強い手がかりになる。
- 接続語
- 文と文の関係を示す言葉。しかし(逆接)・だから(順接)・つまり(換言)・たとえば(例示)など、前後の向きを指定する。
- 話題提示
- その文章で何を扱うのかを最初に示すこと。指示語も接続語も持たず、中心になる語が初めて登場する文が先頭になりやすい。
- 言い換え
- 前の文の内容を別の言葉で述べ直すこと。「つまり」「要するに」を伴うことが多く、言い換えられる側の文がすぐ前に来る。
- まとめの文
- 「このように」「こうして」で始まり、それまでの内容を一つにくくる文。原則として末尾に置く。
- かかり受け
- ある語句がどの語句を説明しているかという関係。文の並べ替えでも文節の並べ替えでも、これをたどることで順序が定まる。
例題 ア「その番号を読み取れば、宛先の地域が数字だけでわかる。」イ「郵便番号は、郵便物を機械で仕分けるために作られた番号である。」ウ「このように、郵便番号は配達の速さを支えている。」の三文を並べ替えよ。
イ→ア→ウ。アは「その番号」で始まるので先頭になれず、指す相手である「郵便番号」を出しているイの後ろに置く。ウは「このように」で始まるまとめなので末尾。他の順にすると、アの指す番号が前に現れない。
例題 先頭になれる文が二つあるように見えるときは、どう決めるか。
どちらの文をもう一方の後ろに置けるかを試す。片方が他方の内容を前提にしていれば、前提にしている側が後ろになる。両方とも前提を持たない場合は、残り三文の指示語がどちらを受けているかを見て、受けられている文を先頭にする。
例題 「しかし」で始まる文が二つあるときの考え方は。
それぞれの「しかし」が何をひっくり返しているのかを書き出す。逆接は直前の内容とだけ噛み合うので、ひっくり返せる相手が一つに定まる。相手が見つからない側は、もう一方の逆接文の後ろに来る。
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空欄補充(接続語で論理の向きをそろえる)
空欄に入る接続語は、覚えている数ではなく、前後の関係を言葉にできるかで決まります。前と後ろを一言でまとめ、その関係に合う語を分類表から選ぶ手順を身につけます。
接続語の空欄補充では、選択肢を一つずつ当てはめて読み比べる人が多いのですが、それでは時間がかかるうえに、どれも通るように感じてしまいます。先にやるべきなのは、空欄の前と後ろをそれぞれ短くまとめることです。前が「雨が少ない」、後ろが「ため池を作った」なら、関係は原因と結果です。関係を先に言葉にしてしまえば、選ぶ語は分類表の一行に絞られます。
関係は大きく数種類しかありません。順接(前が原因で後ろが結果)、逆接(後ろが前と食い違う)、換言(後ろが前の言い直し)、例示(後ろが前の具体例)、理由(後ろが前の根拠)、添加(後ろが前に付け足し)、対比(前と後ろを並べて比べる)、限定(後ろが前に条件をつける)です。この八つを覚えておけば、たいていの空欄は分類だけで解けます。
見分けるときの決め手は、文末の形にもあります。空欄の後ろが「〜からである」で終わっていれば理由なので「なぜなら」、「〜ということだ」で終わっていれば換言なので「つまり」が入ります。前の文が「〜ではない」で終わり、後ろが「〜である」と言い直していれば「むしろ」が合います。このように、接続語は後ろの文末と組になって使われることが多く、この呼応を知っていると迷いが減ります。
空欄が二か所ある問題は、片方から決めるのが鉄則です。二つを同時に考えると組合せが増えて混乱しますが、関係がはっきりしているほうを先に決め、その語を含む選択肢だけを残せば、残りは一つか二つに絞れます。最後に、選んだ語を入れて通しで音読し、前後がねじれていないかを確かめてください。逆接を入れたのに前後が同じ向きを向いている、といったずれはこの段階で見つかります。
接続語の空欄補充の手順 1. 空欄の前を一言でまとめる(例: 雨が少ない) 2. 空欄の後ろを一言でまとめる(例: ため池を作った) 3. 二つの関係を言葉にする(例: 原因と結果) 4. 分類表でその行を探し、当てはまる語を選ぶ 5. 後ろの文末を見る。「からである」なら理由、「ということだ」なら換言 6. 空欄が二つなら、はっきりしているほうを先に決めて選択肢を絞る 7. 入れてから通しで読み、前後の向きがねじれていないか確かめる
| はたらき | 代表的な接続語 | 前と後ろの関係 |
|---|---|---|
| 順接 | だから/そのため/したがって/そこで | 前が原因、後ろがその結果 |
| 逆接 | しかし/ところが/だが/それでも | 後ろが前からの予想に反する |
| 換言 | つまり/要するに/すなわち | 後ろが前の言い直し |
| 例示 | たとえば/具体的には | 後ろが前の具体例 |
| 理由 | なぜなら/というのは | 後ろが前の根拠。文末は「からである」 |
| 添加 | そのうえ/さらに/しかも/また | 後ろが前への付け足し |
| 対比 | 一方/反対に/これに対して | 前と後ろを並べて比べる |
| 訂正 | むしろ/かえって | 前を否定し、後ろで言い直す |
| 限定 | ただし/もっとも/なお | 後ろが前につける条件や例外 |
| 転換 | ところで/さて | 話題を切りかえる |
- 順接
- 前の内容が原因や理由になり、後ろがその結果になる関係。だから・そのため・したがって・そこで。
- 逆接
- 後ろが前から予想される内容と食い違う関係。しかし・ところが・だが・それでも。
- 換言
- 後ろが前を別の言葉で言い直す関係。つまり・要するに・すなわち。
- 例示
- 後ろが前の具体例になる関係。たとえば・具体的には。
- 添加
- 後ろが前に情報を付け足す関係。そのうえ・さらに・しかも・また。
- 限定
- 後ろが前に条件や例外をつける関係。ただし・もっとも・なお。
- 呼応
- 接続語と文末の言い方が組になること。なぜなら〜からである、つまり〜ということだ、むしろ〜である、など。
例題 「この橋は五年前に架け替えられた。(空欄)、通行止めの日が三日だけあった。」に入る語はどれか。
ただし。後ろが前に例外や条件をつける限定の関係。しかしを入れると架け替えたこと自体を打ち消すことになり、前後の重さが釣り合わない。
例題 「この装置は音がほとんどしない。(空欄)、消費する電力も小さい。」に入る語はどれか。
そのうえ。後ろが前に長所を付け足す添加の関係。文末が「〜も」で受けているのが目印。
例題 「紙の地図は全体の位置関係がつかみやすい。(空欄)、画面の地図は現在地をすぐ示す。」に入る語はどれか。
一方。前と後ろを並べて比べる対比の関係。どちらも長所を述べていて食い違っていないので、しかしは使えない。
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文節の並べ替え(かかる先を一つずつ決める)
文節を並べる問題は、語順の自由さに惑わされると解けません。「が」「の」「を」といった助詞が、どの語にかかるかを決めていることを使って、後ろから鎖をたどります。
日本語の語順はある程度自由ですが、自由なのは文全体を作る主語や修飾語の位置であって、かかり受けの向きは自由ではありません。日本語では、説明する語がつねに説明される語の前に来ます。だから、どの文節がどの文節にかかるのかを決めれば、並びは自動的に定まります。並べ替えでは、この向きだけを頼りにします。
手がかりになるのは助詞です。「〜の」は必ず後ろの名詞にかかります。「本の感想」の「本の」は「感想」以外にかかりようがありません。動詞や形容詞の言い切りの形が名詞の前にあれば、それは連体修飾で、すぐ後ろの名詞にかかります。「読んだ本」の「読んだ」は「本」の説明です。「〜を」は動詞にかかり、「〜が」は述語の主語になります。この四つを押さえるだけで、多くの問題は一通りに決まります。
もう一つ強い決め手があります。「は」は文全体の主題を示す助詞で、名詞を修飾する部分(連体修飾節)の中には入れません。「私は読んだ本」とは言えず、その位置なら「私が読んだ本」になります。つまり「〜は」の文節は必ず主節側にあり、文末の述語につながります。この性質があるので、「〜は」と「〜が」が両方あるときは、「〜が」のほうが修飾節の中の主語だと決まります。
組み立ては後ろから行うと速く進みます。まず文末の述語を決め、その述語の主語と目的語を探し、目的語の名詞にかかる修飾語をたどっていくと、鎖が一本につながります。最後に、できた文を声に出して読み、途中で意味が切れないかを確かめてください。二通り読めてしまう並びは、どこかでかかり先を取り違えています。
文節の並べ替えの手順 1. 文末に来る述語を決める 2. 「〜は」の文節を探す。これは主節の述語につながる 3. 「〜が」の文節を探す。「は」があるなら、こちらは修飾節の主語 4. 「〜の」と連体修飾の動詞は、かかる名詞のすぐ前に置く 5. 「〜を」は、その動作を表す動詞より前に置く 6. 後ろから鎖をつなぎ、通して読んで二通りに読めないか確かめる
| 文節の形 | かかる先 | 並びの決まり |
|---|---|---|
| 〜の | すぐ後ろの名詞 | 「本の感想」の順で固定される |
| 動詞の言い切りの形 | すぐ後ろの名詞 | 「読んだ本」の順で固定される |
| 〜を | 動詞 | 動詞よりも前に置く |
| 〜が | 述語(修飾節の中でもよい) | その述語より前に置く |
| 〜は | 主節の述語 | 修飾節の中には入れない |
| 〜て、のあとの補助動詞 | 直後の補助動詞 | 「貸して」「くれた」は離せない |
- 文節
- 文を、意味が崩れない範囲でできるだけ細かく区切った単位。「弟が」「読んだ」「本の」のように、自立語に助詞などがついた形になる。
- 連体修飾
- 名詞を説明するはたらき。「読んだ本」「静かな部屋」のように、説明する語がすぐ前に置かれる。
- 連用修飾
- 動詞や形容詞を説明するはたらき。「ゆっくり歩く」「本を読む」のように、こちらも説明する語が前に来る。
- 主題の「は」
- 文全体の話題を示す助詞。連体修飾節の中には入れないため、「〜は」を含む文節は主節の述語につながる。
- 格助詞の「が」
- 主語を示す助詞。連体修飾節の中の主語にもなれるので、「は」と併存するときは「が」のほうが修飾節側になる。
- 述語
- 文の中心になる動作や状態を表す部分。並べ替えでは、まず述語を決めてから前を組み立てる。
例題 「私は」に続けて、ア「読んだ」イ「弟が」ウ「本の」エ「感想を」オ「聞いた」を並べ替えよ。
イ→ア→ウ→エ→オ。「私は」は主節の主題なので述語「聞いた」につながる。「弟が」は修飾節の主語で「読んだ」にかかり、「読んだ」は「本」を、「本の」は「感想」を説明する。「感想を」は「聞いた」の目的語。完成形は「私は弟が読んだ本の感想を聞いた。」
例題 なぜ「私は読んだ本の感想を弟が聞いた」とは並べられないのか。
「は」は連体修飾節の中に入れないので、「私は」が「読んだ」の主語になることはできない。また「私は」と「弟が」の両方を主節の述語「聞いた」に付けると主語が二つになる。だから「弟が」が修飾節の主語だと決まる。
例題 「運んで」と「もらった」は、並べ替えのときどう扱うか。
補助動詞は直前の「〜て」と切り離せないので、必ず「運んでもらった」の順で1つのかたまりとして動かす。
※ SPI3の出題形式(文節の並べ替え)に沿った、当サイトのオリジナル教材です(SPI3に公開シラバスはありません)
長文読解
長文読解の型(設問から本文へ戻って照合する)
長文は味わうために読むのではなく、答えの根拠を探すために読みます。設問を先に見て、本文の該当箇所に戻り、選択肢を一語ずつ突き合わせる手順を身につけます。
長文読解でいちばん多い失敗は、本文を最初から丁寧に読み切ってから設問を見ることです。制限時間の短い試験では、それでは二度読みになります。先に設問を見て、何を探せばよいかを決めてから本文に入ってください。内容一致なのか、指示語なのか、空欄補充なのかがわかっていれば、読みながら該当箇所に印をつけられます。
内容一致の問題は、選択肢を一つずつ本文と照らし合わせます。ここで大事なのは、選択肢を全体の雰囲気で判断しないことです。誤りの選択肢は、たいてい一語だけがすり替えられています。本文が「〜のことがある」と書いているのに選択肢が「必ず〜だ」になっている、本文が「〜だけではない」と書いているのに選択肢が「〜だけだ」になっている、本文が「増えている」と書いているのに選択肢が「減っている」になっている、といった形です。だから、選択肢のどの語が本文のどこと食い違うのかを、指で示せるところまで確かめます。
指示語の問題は、指示語より前を探すのが原則です。「その」「これ」「こうした」は、直前の文かその一つ前の内容を指していることがほとんどです。見つけたと思ったら、指示語の位置にその内容をそのまま入れて読み直してください。文が自然につながれば正解、主語がねじれたり意味が重複したりすれば別の箇所を指しています。指示語の直後の言葉も手がかりになります。「その表れ」なら指すのは出来事、「その理由」なら指すのは原因です。
空欄補充では、空欄の前と後ろを一言でまとめ、関係を言葉にしてから選びます。前が長所で後ろが短所なら逆接、前が一般論で後ろが具体例なら例示です。長文の中の空欄は、段落と段落のつなぎ目に置かれることが多く、そこを見抜くと文章全体の骨組みも同時に見えます。最後に、選んだ答えを入れて前後を通しで読み、向きがねじれていないかを確かめてください。
長文読解の手順 1. 設問を先に読み、何を探すかを決める 2. 本文を読みながら、設問に関わる箇所に印をつける 3. 内容一致は、選択肢を一つずつ本文の一文と突き合わせる 4. 「必ず」「だけ」「すべて」など強い語があれば、本文と強さを比べる 5. 指示語は前を探し、その位置に入れて読み直す 6. 空欄は前後を一言でまとめ、関係を決めてから選ぶ 7. 選んだ答えの根拠になる本文の一文を、必ず一つ指させるようにする
| 設問のタイプ | 本文で見る場所 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 内容一致 | 選択肢ごとに対応する一文 | 一語のすり替えを探す。書かれていないことは選ばない |
| 合致しないもの | 選択肢ごとに対応する一文 | 正しいものが三つある。消去法で残った一つを選ぶ |
| 指示語 | 指示語より前の一文か二文 | その位置に入れて読み直し、意味が通るか確かめる |
| 空欄補充 | 空欄の前後の一文ずつ | 二つの関係を言葉にしてから選ぶ |
| 理由 | 「からだ」「ためである」の文 | 理由を述べる文末の形を目印に探す |
| 主張・要旨 | 最終段落と、逆接の後ろ | 具体例ではなく、まとめている文を選ぶ |
- 内容一致
- 本文に書かれていることと合う選択肢を選ぶ問題。本文に書かれていない内容は、正しそうに見えても誤りとして扱う。
- 言い過ぎの選択肢
- 本文の「〜のことがある」を「必ず〜だ」、「〜も一因だ」を「〜だけが原因だ」のように強めた選択肢。長文読解の代表的な誤答の形。
- すり替え
- 本文の一語だけを別の語に置きかえた誤答。増える/減る、前/後、全員/一部などの入れかえが多い。
- 指示語の照合
- 指示語の位置に候補の内容をそのまま入れて読み直し、意味が通るかを確かめる作業。
- 根拠の位置
- その選択肢が正しいと言える本文の行。根拠が示せない選択肢は、たとえ内容が正しそうでも選ばない。
- 設問先読み
- 本文より先に設問を読み、何を探すのかを決めてから本文に入る読み方。
例題 本文に「この方法が有効な場面もある」とある。選択肢「この方法はどんな場面でも有効である」は正誤どちらか。
誤り。本文は「場面もある」と一部に限っているのに、選択肢は「どんな場面でも」と全体に広げている。強さのすり替えは内容一致で最も多い誤答の形。
例題 「館内に会話のできる席が用意されるのは、その表れである」の「その」を探す手順は。
「その表れ」なので、指すのは会話席という具体例がまさに表している出来事。指示語より前を見て、話し合う場としての面が強くなっているという記述を見つけ、その内容を指示語の位置に入れて読み直すと自然につながる。
例題 設問が「本文の内容と合致しないものはどれか」のとき、注意することは。
三つは本文と合う選択肢なので、合う三つを先に消す。合致するものを探す設問と読み間違えると、正しい選択肢を選んでしまう。設問文の「ない」に必ず印をつけてから読み始める。
※ SPI3の出題形式(長文読解)に沿った、当サイトのオリジナル教材です(SPI3に公開シラバスはありません)
論の運びをたどって、筆者の主張をつかむ
主張は、文章のどこかに必ず置かれています。接続語と段落の役割をたどれば、どれが具体例でどれがまとめなのかが分かれ、主張を選ぶ問題で迷わなくなります。
説明的な文章は、思いつきの順に並んでいるのではなく、決まった型で組み立てられています。よくあるのは、話題を出す、一般に思われていることを述べる、それをひっくり返す、理由や具体例を挙げる、まとめる、という流れです。この型がわかっていれば、どの段落が主張でどの段落が支えなのかを、読みながら仕分けできます。
仕分けの目印は接続語です。「しかし」「ところが」の後ろには、筆者が本当に言いたいことが来やすいと覚えてください。一般に思われていることを先に置き、逆接でひっくり返してから自分の考えを述べる、という運び方が多いからです。「たとえば」の後ろは具体例なので、主張そのものではありません。「つまり」「このように」の後ろはまとめで、主張が言い直されている場所です。
理由を問う設問では、文末の形を目印にします。「〜からである」「〜ためである」「〜からだ」で終わる文が、直前の内容の根拠です。理由が本文に二つ以上書かれている場合は、設問がどの結果についての理由を聞いているのかを確かめてから探してください。結果を取り違えると、本文に書かれている別の理由を選んでしまいます。
主張や要旨を選ぶ問題では、三つのふるいにかけます。第一に、本文に書かれていないことは選ばない。第二に、本文に書かれていても、具体例にすぎないものは主張ではない。第三に、本文の一部分だけを取り上げたものより、全体をくくっているものを選ぶ。最終段落と、逆接の後ろの文を読み比べれば、たいていはこの三つで一つに絞れます。
主張をつかむ手順 1. 「〜と思われがちだ」など、一般論を述べた文を探す 2. その後ろの逆接(しかし・ところが)に印をつける 3. 逆接の後ろの文を、主張の候補として書き出す 4. 「たとえば」の後ろは具体例なので候補から外す 5. 最終段落の「このように」「つまり」の文を、もう一つの候補にする 6. 二つの候補を見比べ、全体をくくっているほうを選ぶ 7. 選択肢は、本文にない/具体例どまり/一部分だけ、の順に消す
| 接続語 | 後ろに来るもの | 主張との関係 |
|---|---|---|
| しかし/ところが | 一般論をひっくり返した内容 | 筆者の主張が来やすい |
| つまり/このように | 前の内容の言い直し・まとめ | 主張が言い直されている |
| たとえば/具体的には | 個別の事実 | 主張ではなく、支えの材料 |
| なぜなら/というのは | 根拠 | 主張の理由。理由を問う設問の答え |
| だから/したがって | 前から導いた結果 | 結論として主張が来ることがある |
| もっとも/ただし | 条件や例外 | 主張を弱めるが、打ち消しはしない |
| 一方/これに対して | 比べる相手 | 対比の片側。全体の主張ではない |
- 話題提示
- 文章の最初で、何について述べるのかを示す部分。ここだけでは主張は決まらない。
- 一般論
- 世間で思われていること。「〜と思われがちだ」「〜と説明されることが多い」の形で置かれ、後ろで逆接によってひっくり返されることが多い。
- 具体例
- 主張を支えるために挙げられる個別の事実。「たとえば」の後ろに来る。主張そのものではない。
- 主張
- 筆者がその文章で最も言いたいこと。逆接の後ろや最終段落のまとめの文に置かれやすい。
- 要旨
- 文章全体の内容を短くまとめたもの。一部分だけを取り上げたものは要旨にならない。
- 理由の文末
- 「からである」「ためである」「からだ」。理由を問う設問では、この形の文を先に探す。
例題 「敬語は相手を高く扱う言葉だと説明されることが多い。しかし、敬語が担っているのは距離の調整である。」で、筆者の主張はどちらか。
後半。前半は「説明されることが多い」という一般論で、逆接「しかし」でひっくり返された後ろが筆者の考えにあたる。前半を選ぶのが典型的な誤りである。
例題 選択肢に、本文の具体例をそのまま書いたものがあった。要旨として選んでよいか。
選ばない。具体例は主張を支える材料であって、文章全体をくくるものではない。要旨は、その具体例が何のために挙げられていたのかを述べている選択肢のほうである。
例題 理由を問われたとき、最初にすることは。
設問が「何の理由」を聞いているのかを確かめる。そのうえで、その結果を述べた文の近くにある「からである」「ためである」で終わる文を探す。結果を取り違えると、本文にある別の理由を選んでしまう。
※ SPI3の出題形式(長文読解)に沿った、当サイトのオリジナル教材です(SPI3に公開シラバスはありません)
構造的把握力
非言語系の構造把握 - 解き方の型で文章題を仕分ける
答えを出すのではなく、立式の形だけを見て文章題を組分けする手順を身につけます。題材や数値は飾りだと割り切るのが第一歩です。
構造的把握力検査は、SPI3のオプション科目です。企業が指定したときだけ課され、非言語系と言語系の2系統から出ます。非言語系は、4つから5つの短い文章題を見せて「解き方の構造が似ているもの」で組に分けさせる形式です。ここで大事なのは、答えの数値を出す必要がまったくないという点です。求められているのは計算力ではなく、問題を見た瞬間に「これはどの型で解くか」を言い当てる力です。
なぜ立式だけを見れば分けられるのでしょうか。文章題の題材はりんご・電車・お金・リボンとさまざまですが、そこに出てくる数の役割は「全体」「部分」「1あたりの量」「個数」「割合」のどれかに必ず収まります。数に役割の札を貼ってしまえば、りんごの問題も電車の問題も同じ並びになることがあります。役割の並びと演算記号が一致すれば、それが同じ型です。逆に、数値がまったく同じでも役割が違えば別の型になります。
とくに間違えやすいのが、同じ割り算でも意味が2つあることです。96個のあめを8人で分けて1人分を出すのは等分除で、全体を「分ける数」で割っており、答えの単位は個のまま全体と同じです。150cmのリボンを25cmずつ切って本数を出すのは包含除で、全体を「1あたりの量」で割っており、答えの単位は本に変わります。どちらも A÷B ですが、割る数の正体が違うので別の組です。迷ったら答えの単位を口に出して確かめてください。
本番では1組あたりにかけられる時間がごく短いので、答えまで計算していては間に合いません。4問すべてについて立式を1本ずつ書き出し、演算記号と役割の並びだけを横に並べて見比べます。3つが同じ形で1つだけ違えば、その1つが仲間はずれです。数の大小、単位、登場人物、話題の分野はすべて無視してかまいません。見るのは形だけです。
非言語系の手順 1. 4問それぞれについて、何を求めているかを一文で言い換える 2. 出てくる数に役割の札を貼る。全体・部分・1あたりの量・個数・割合のどれか 3. 答えは出さず、立式だけを1本書く 4. 演算記号と役割の並び順だけを4問分そろえて見比べる 5. 同じ形が3つ、違う形が1つなら、その1つが仲間はずれ 6. 割り算どうしで迷ったら、答えの単位が全体と同じか個数の単位かを確かめる 7. 題材・数値の大小・登場人物は最後まで無視してよい
| 型 | 何を聞かれているか | 立式の形 | 例 |
|---|---|---|---|
| 差 | 全体のうち使った分を除いた残り | 全体 − 部分 | 300ページのうち120ページ読んだ残り |
| 積 | 1あたりの量が何個分あるかの総量 | 1あたりの量 × 個数 | 1本120円のジュースを7本 |
| 等分除 | 等しく分けたときの1つ分 | 全体 ÷ 分ける数 | 96個のあめを8人で分ける |
| 包含除 | 決まった量ずつ取ると何個分か | 全体 ÷ 1あたりの量 | 150cmのリボンを25cmずつ切る |
| 割合をかける | もとの量の何割にあたる量か | もとにする量 × 割合 | 定価800円の3割の値引き額 |
| 割合で割る | 何割かにあたる量からもとの量 | 部分 ÷ 割合 | 全体の2割が90人のときの全体 |
| 引いてから割る | 残りを等しく分けた1つ分 | (全体 − 部分) ÷ 分ける数 | 60個から12個取った残りを8人で |
| 掛けてから引く | 買った代金を差し引いたおつり | 所持金 − 1あたりの量 × 個数 | 140円を4個買って1000円出す |
- 構造的把握力検査
- SPI3のオプション科目。文章題や文を、内容ではなく解き方や述べ方の構造で組分けさせる検査。企業が指定したときだけ課される。
- 立式
- 文章題を計算の式に直すこと。構造的把握力では、答えを出さずに立式の形だけを比べる。
- 等分除
- 全体を分ける数で割って1つ分を求める割り算。96÷8=12個のように、答えの単位は全体と同じままになる。
- 包含除
- 全体を1あたりの量で割っていくつ分かを求める割り算。150÷25=6本のように、答えの単位が個数の単位に変わる。
- 1あたりの量
- 1個・1人・1時間などの単位量に対応する数量。1本120円、時速60km、1箱12個などがこれにあたる。
- もとにする量
- 割合の計算で基準になる量。もとにする量が分かっていれば掛け算、分かっていなければ割り算になる。
例題 次の2問は同じ型か。A「48個のみかんを6人で等分すると1人何個か」B「48cmのひもを6cmずつ切ると何本とれるか」
型は違う。計算はどちらも 48÷6=8 で同じだが、Aは全体を分ける数6人で割る等分除で答えは8個、Bは全体を1あたりの量6cmで割る包含除で答えは8本。数値が同じでも、割る数の正体と答えの単位が違うので別の組になる。
例題 「1本90円の鉛筆を8本買うと代金はいくらか」と同じ型の問題はどれか。ア「720円を8人で分けると1人いくらか」イ「1袋に7個入るあめを5袋買うと何個か」
イ。もとの問題は 90×8=720 で「1あたりの量 × 個数」の積の型。イも 7×5=35 で同じ積の型。アは 720÷8=90 の等分除なので別の型になる。同じ720という数が出てきても関係ない。
例題 「500円で180円の飲み物を買い、残りを2人で分けると1人いくらか」と「1個200円の品を3個買って1000円出したときのおつりはいくらか」は同じ型か。
どちらも2回計算する問題だが型は違う。前者は (500−180)÷2=160 で引いてから割る型、後者は 1000−200×3=400 で掛けてから引く型。2段階の問題は、先にする計算が何かで組が分かれる。
※ SPI3の出題形式(構造的把握力)に沿った、当サイトのオリジナル教材です(SPI3に公開シラバスはありません)
言語系の構造把握 - 述べ方の型で文を仕分ける
文の内容ではなく、文末表現と接続表現という目印だけを見て、述べ方の構造で文を組分けする方法を身につけます。
言語系の構造的把握力は、5つの短い文を見せて2つの組と3つの組に分けさせる形式が本番の形です。ここで問われるのは、何について書いてあるかではなく、どのように述べているかです。天気の話とお金の話でも、述べ方が同じなら同じ組に入ります。逆に、同じ話題の2文でも述べ方が違えば別の組です。まず「話題は無視する」と決めてしまうのが上達の近道です。この講義では4択の形に直して練習します。
手がかりは、ほぼすべて文末表現と接続表現に現れます。「〜だ」「〜した」「〜である」と言い切っていれば、起きたことや今の状態をそのまま述べる事実の説明です。これに対して「〜だろう」「〜と思う」「〜べきだ」「〜ではないか」が付いていれば、書き手の推量や意見が入っています。数値や固有名詞が並んでいても、文末に「だろう」が1つあるだけでその文は推量の側に移ります。まず全部の文の文末だけを縦に読むのが第一手です。
次に多いのが因果の向きです。「大雪が降ったので、電車が止まった」は原因を先に書いて結果を後に置く原因→結果の形。「電車が止まった。なぜなら大雪が降ったからだ」は結果を先に言い切ってから理由を後置きする結果→原因の形です。内容はまったく同じでも、並び順が逆なので別の組になります。「ので」「ため」「から、」が前半にあれば原因→結果、「なぜなら」「〜からだ」「〜ためである」が後半にあれば結果→原因、と機械的に判定できます。
そのほかによく出るのが、全体をまとめて述べる一般論と「たとえば」で個別の事例を挙げる具体例の対、「〜なら」「〜たら」「〜場合は」で条件を置く条件つきの文と条件語を持たない無条件の断定の対、「〜たい」「〜つもりだ」と書き手自身のことを述べる意志・希望と「〜てください」「〜こと」で読み手に行動を求める依頼・指示の対、「まず〜次に」で動作を時間順に並べる順序と「〜が」「一方」で2つのものを比べる対比の対です。どれも目印の言葉が表に出るので、読み方で答えが割れることはありません。
注意点が1つあります。目印の言葉が見つからない文は、余計な解釈を足さずに「言い切りの事実」として扱ってください。書いていないことを想像して条件や意見を読み込むと、必ず答えがぶれます。見えている語だけで判定する、これが言語系の鉄則です。
言語系の手順 1. 内容を読む前に、すべての文の文末だけを縦に読む 2. 言い切りか、推量・意見かで大きく2つに割ってみる 3. 割れなければ、接続の言葉を探す。ので・ため・なぜなら・たとえば・なら・たら・が 4. 因果があるときは、原因と結果のどちらが先に書いてあるかを確かめる 5. 動作をするのが書き手か読み手かを見る。〜たいは書き手、〜てくださいは読み手 6. 話題が天気でもお金でも仕事でも、話題そのものは無視する 7. 目印の言葉がない文は、余計な解釈をせず言い切りの事実として扱う
| 型 | 目印になる言葉 | 例文 |
|---|---|---|
| 事実の説明 | 〜だ / 〜した / 〜である | 昨日は朝から雨が降った。 |
| 意見・推量 | 〜だろう / 〜と思う / 〜べきだ | 明日は雨になるだろう。 |
| 原因→結果 | 〜ので、… / 〜ため、… | 電車が遅れたので、遅刻した。 |
| 結果→原因 | …。なぜなら〜からだ | 遅刻した。なぜなら電車が遅れたからだ。 |
| 一般論 | 全体をまとめる主語、傾向を示す語 | 日本の高校では読書時間を設ける例が多い。 |
| 具体例 | たとえば / 〜など / 固有の1件 | たとえば隣町の図書館は夜9時まで開いている。 |
| 条件つき | 〜なら / 〜たら / 〜場合は / 〜ば | 雨が降った場合は、試合を延期します。 |
| 無条件 | 条件を示す語がない言い切り | 当館の開館時間は午前9時です。 |
| 意志・希望 | 〜たい / 〜つもりだ / 〜ようと思う | 来年こそ資格試験に挑戦したい。 |
| 依頼・指示 | 〜てください / 〜こと / 〜されたい | 期限までに書類を提出してください。 |
| 時間の順序 | まず / はじめに / 次に / そのあとで | まず米を研ぎ、次に水に浸す。 |
| 対比 | 〜が、… / 一方 / それに対して | 兄は文系だが、弟は理系だ。 |
- 事実の説明
- 起きたことや現在の状態を言い切る文。文末が「〜だ」「〜した」「〜である」で、書き手の判断が入らない。
- 意見・推量
- 書き手の考えや見通しを述べる文。「〜だろう」「〜と思う」「〜べきだ」などが文末に現れる。
- 原因→結果
- 原因を先に置き「ので」「ため」でつないで結果を後に述べる並び。前半が理由になる。
- 結果→原因
- 結果を先に言い切り、「なぜなら〜からだ」「〜ためである」で後から理由を添える並び。
- 条件つき
- 「〜なら」「〜たら」「〜場合は」で、あることが成り立つときに限って何が起きるかを述べる文。
- 対比
- 「〜が」「一方」で2つのものごと、または1つのものの2つの面を並べ、違いを示す述べ方。
例題 「明日は雪になるだろう」と「昨日は雪が降った」は同じ組か。
別の組。話題はどちらも雪だが、前者は文末が「だろう」の推量で、まだ確かめられていない先のことを述べている。後者は言い切りの事実の説明。話題の一致は判断材料にならない。
例題 「バスが遅れたので、開始時刻をずらした」と「開始時刻をずらした。バスが遅れたからだ」の違いは何か。
別の組。どちらも原因はバスの遅れ、結果は時刻の変更で内容は同じだが、前者は原因→結果の順、後者は結果→原因の順。構造的把握力では、この並び順の違いだけで組を分ける。
例題 「定員に達したら受付を終了します」と「受付は午後5時に終了します」は、どちらが条件つきか。
前者。「〜たら」があり、定員に達したときに限って終了することを述べている。後者は条件を示す語がなく、いつでも当てはまることを言い切った無条件の文。目印の語の有無だけで機械的に分けられる。
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