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📝 問題と解説の全文(44問)
理論化学ラボ〜ΔHとmolの部屋〜 の全44問を、解説つきで読める形に並べています。アプリを起動しなくても、ここだけで内容を確かめられます。各見出しを開くと、問題文・選択肢・正解・解説が出ます。
物質量・濃度
molと質量
二酸化炭素 CO₂ 0.50 mol の質量は何gか。原子量は C=12、O=16 とする。
- 22 g
- 44 g
- 11 g
- 88 g
正解:1番
CO₂ の分子量は 12+16×2=44 なので、0.50 mol では 44×0.50=22 g。44 g は 1 mol と混同したひっかけ。「質量=モル質量×物質量」を機械的に当てはめよう。
気体22.4L
0℃、1.013×10⁵ Pa(標準状態)で 11.2 L を占める理想気体の物質量は何molか。
- 0.50 mol
- 2.0 mol
- 1.0 mol
- 0.25 mol
正解:1番
標準状態では気体 1 mol が約 22.4 L を占めるので、11.2÷22.4=0.50 mol。22.4÷11.2=2.0 と逆に割るミスが定番。「体積÷22.4」の向きを覚えよう。
モル濃度の基本
0.20 mol/L の水酸化ナトリウム水溶液 500 mL に含まれる NaOH の物質量は何molか。
- 0.10 mol
- 0.20 mol
- 0.40 mol
- 1.0 mol
正解:1番
モル濃度×体積(L)=物質量なので、0.20×0.500=0.10 mol。500 mL を 0.5 L に直し忘れて 0.20 mol とするのが典型ミス。mL→L の換算を最初にやるのがコツ。
濃硫酸の濃度換算
質量パーセント濃度 98%、密度 1.8 g/cm³ の濃硫酸のモル濃度はおよそ何mol/Lか。H₂SO₄ の分子量を 98 とする。
- 18 mol/L
- 1.8 mol/L
- 9.8 mol/L
- 0.18 mol/L
正解:1番
溶液 1 L=1000 cm³ の質量は 1800 g、その 98% が H₂SO₄ で 1764 g、これを分子量 98 で割ると 18 mol/L。密度を掛け忘れると 1.8 などの誤答になる。「1 L とって質量→溶質の質量→mol」の3ステップで解く。
状態方程式
27℃、8.3×10⁴ Pa で 3.0 L を占める理想気体の物質量は何molか。気体定数 R=8.3×10³ Pa・L/(K・mol) とする。
- 0.10 mol
- 1.0 mol
- 0.30 mol
- 0.037 mol
正解:1番
PV=nRT より n=PV/RT=(8.3×10⁴×3.0)/(8.3×10³×300)=0.10 mol。温度を 27 のまま代入すると桁が狂う。絶対温度 T=27+273=300 K に直すのが鉄則。
アボガドロ数
水 H₂O 1 mol に含まれる水素原子の数はいくつか。アボガドロ定数を 6.0×10²³ /mol とする。
- 1.2×10²⁴ 個
- 6.0×10²³ 個
- 3.0×10²³ 個
- 1.8×10²⁴ 個
正解:1番
水分子 1 個には H 原子が 2 個あるので、6.0×10²³×2=1.2×10²⁴ 個。6.0×10²³ は「分子の数」と混同したひっかけ。「分子数×分子中の原子数」を忘れずに。
平均分子量
窒素 N₂ と酸素 O₂ を物質量比 4:1 で混合した気体の平均分子量はいくらか。分子量は N₂=28、O₂=32 とする。
- 28.8
- 30.0
- 28.0
- 32.0
正解:1番
モル分率で加重平均して 28×0.80+32×0.20=22.4+6.4=28.8。単純平均の 30.0 が最大のひっかけ。空気の平均分子量が約 29 になることも合わせて覚えると検算に使える。
結晶・結合
体心立方の配位数
体心立方格子の金属結晶において、1個の原子に最も近く隣接する原子の数(配位数)はいくつか。
- 8
- 12
- 6
- 4
正解:1番
体心立方格子では中心の原子が立方体の8個の頂点原子と接するので配位数は8。12 は面心立方格子・六方最密構造の配位数で、混同しやすい。「体心=8、面心・六方=12」とセットで暗記。
面心立方の原子数
面心立方格子の単位格子に含まれる原子の数はいくつか。
- 4個
- 2個
- 8個
- 6個
正解:1番
頂点8か所×1/8+面の中心6か所×1/2=1+3=4個。頂点や面の原子を丸ごと1個と数えると8や6になる。単位格子の「切り分け(頂点1/8、面1/2、辺1/4)」を必ず使おう。
電気を通す結晶
共有結合の結晶でありながら、固体の状態で電気をよく通す物質はどれか。
- 黒鉛
- ダイヤモンド
- 塩化ナトリウム
- ナフタレン
正解:1番
黒鉛は各炭素の4個の価電子のうち1個が平面構造の中を自由に動けるため電気を通す。同じ炭素でもダイヤモンドは全電子が結合に使われ絶縁体。「黒鉛だけは共有結合結晶の例外」と覚える。
水の沸点の謎
水 H₂O が、分子量のよく似た硫化水素 H₂S よりも著しく沸点が高い主な理由はどれか。
- 分子間に水素結合がはたらくから
- ファンデルワールス力が特に強いから
- 分子内の共有結合が強いから
- イオン結合をもつから
正解:1番
電気陰性度の大きい O に結合した H が、隣の分子の O と水素結合をつくるため、切り離すのに大きなエネルギーが要る。共有結合の強さは沸点(分子間を引き離す話)とは別物なのでひっかからないこと。「F・O・N に付いた H は水素結合」と覚える。
配位結合
アンモニア NH₃ が水素イオン H⁺ と結びついてアンモニウムイオン NH₄⁺ になるとき、新しくできる結合は何か。
- 配位結合
- イオン結合
- 金属結合
- 水素結合
正解:1番
N の非共有電子対を H⁺ に一方的に提供してできるのが配位結合。できた後は他の N–H 共有結合と全く区別できない点も頻出。「電子対を片方が出す共有結合=配位結合」と押さえる。
面心格子と半径
面心立方格子で、格子定数(単位格子の一辺)を a、原子半径を r とすると、成り立つ関係はどれか。
- 4r = √2 a
- 4r = √3 a
- 2r = a
- 4r = 2a
正解:1番
面心立方では面の対角線上で原子が接し、対角線の長さ √2a が半径4個分に等しい。√3a は体心立方(立方体の対角線で接する)の関係で、最頻出のひっかけ。「面心は面対角線、体心は体対角線」と図で覚える。
熱・反応速度
ΔHの符号
新課程では反応熱をエンタルピー変化 ΔH で表す。発熱反応における ΔH の符号として正しいものはどれか。
- ΔH<0
- ΔH>0
- ΔH=0
- 反応によって決まらない
正解:1番
発熱反応では系がエネルギーを放出し、系のエンタルピーが減るので ΔH は負。旧課程の熱化学方程式では発熱を+Q と書いたため符号が逆で、最大の混同ポイント。「出ていくからマイナス」と覚える。
燃焼エンタルピー
メタン CH₄ の燃焼エンタルピーは ΔH=−891 kJ/mol である。メタン 0.50 mol を完全燃焼させたとき発生する熱量はおよそ何kJか。
- 約446 kJ
- 約891 kJ
- 約223 kJ
- 約1782 kJ
正解:1番
1 mol あたり 891 kJ の発熱なので、0.50 mol では 891×0.50≒446 kJ。ΔH が負でも「発生する熱量」は正の値で答える点に注意。「熱量=|ΔH|×mol」で処理しよう。
ヘスの法則
C(黒鉛)+O₂→CO₂ の ΔH₁=−394 kJ、CO+1/2O₂→CO₂ の ΔH₂=−283 kJ のとき、C(黒鉛)+1/2O₂→CO の ΔH は何kJか。
- −111 kJ
- −677 kJ
- +111 kJ
- −283 kJ
正解:1番
目的の反応=(式1)−(式2) なので ΔH=−394−(−283)=−111 kJ。2つを足して −677 とするのが典型ミス。「CO₂ を消すように式を引き算する」というヘスの法則の操作を意識しよう。
触媒のはたらき
触媒を加えると反応が速くなる理由として正しいものはどれか。
- 活性化エネルギーの小さい経路で反応が進むから
- 反応エンタルピー ΔH が小さくなるから
- 反応物の濃度が大きくなるから
- 生成物が安定になるから
正解:1番
触媒は活性化エネルギーの低い別経路を提供し、峠を越えられる分子の割合を増やす。ΔH(出発点と到着点の差)は触媒では変わらない点がひっかけの定番。「触媒は峠を低くするが、谷の深さは変えない」とイメージする。
温度と反応速度
温度を上げると反応速度が著しく大きくなる主な理由はどれか。
- 活性化エネルギー以上のエネルギーをもつ分子の割合が増えるから
- 活性化エネルギーそのものが小さくなるから
- 反応物の濃度が増えるから
- 反応エンタルピーが小さくなるから
正解:1番
温度上昇で分子の運動エネルギー分布が高エネルギー側に広がり、峠を越えられる分子の割合が急増する。活性化エネルギー自体は温度では変わらない(変えるのは触媒)。「温度→割合が増える、触媒→峠が下がる」と区別して覚える。
吸熱変化はどれ
次のうち、エンタルピー変化が ΔH>0(吸熱)となる変化はどれか。
- 硝酸アンモニウムを水に溶かす
- メタンを完全燃焼させる
- 塩酸を水酸化ナトリウム水溶液で中和する
- 鉄が酸化されてさびる
正解:1番
硝酸アンモニウムの溶解は周囲から熱を奪う吸熱変化で、冷却パックにも利用される。燃焼・中和・金属の酸化はいずれも代表的な発熱反応。「冷えるパック=NH₄NO₃ の溶解=ΔH>0」とセットで覚える。
化学平衡
加圧と平衡移動
N₂+3H₂ ⇌ 2NH₃(ΔH<0)の平衡状態で、温度一定のまま圧力を高くすると平衡はどうなるか。
- 気体分子の数が減る右(NH₃生成)方向へ移動する
- 気体分子の数が増える左方向へ移動する
- 移動しない
- 平衡定数が大きくなる
正解:1番
加圧すると、圧力を下げようとして気体の総分子数が減る方向(左辺4分子→右辺2分子)へ移動する。圧力を変えても平衡定数は変わらない点に注意。「ルシャトリエ=変化を打ち消す向き」で判断する。
加熱と平衡移動
N₂+3H₂ ⇌ 2NH₃(ΔH<0 の発熱反応)の平衡状態で、圧力一定のまま温度を上げると平衡はどうなるか。
- 吸熱方向である左へ移動する
- 発熱方向である右へ移動する
- 移動しない
- NH₃ の生成量が増える
正解:1番
加熱すると、熱を吸収して温度上昇を打ち消す吸熱方向(逆反応、左)へ移動する。「温度を上げれば速く進むから右」ではない。速度と平衡の移動は別問題、と切り分けるのがコツ。
触媒と平衡
平衡状態にある反応に触媒を加えると、平衡はどうなるか。
- 平衡は移動せず、平衡に達するまでの時間が短くなる
- 生成物側へ移動する
- 反応物側へ移動する
- 平衡定数が大きくなる
正解:1番
触媒は正反応と逆反応の速度を同じ倍率で速くするため、平衡の位置も平衡定数も変わらない。「触媒でNH₃の収量が増える」と考えるのが典型的な誤り。触媒の利点は「早く平衡に着く」ことだけ、と覚える。
平衡定数の式
N₂+3H₂ ⇌ 2NH₃ の濃度平衡定数 K の式として正しいものはどれか。
- K=[NH₃]²/([N₂][H₂]³)
- K=[NH₃]/([N₂][H₂])
- K=([N₂][H₂]³)/[NH₃]²
- K=2[NH₃]/([N₂]・3[H₂])
正解:1番
平衡定数は「生成物/反応物」で、各濃度に係数を指数として付ける。係数を掛け算にしたり指数を忘れたりするのが定番ミス。「係数は肩に乗せる」と唱えて式を組み立てる。
HI平衡の計算
容積一定の容器に H₂ 1.0 mol と I₂ 1.0 mol を入れて加熱したところ、H₂+I₂ ⇌ 2HI の平衡に達し、HI が 1.6 mol 生成した。この温度での平衡定数 K はいくらか。
- 64
- 16
- 32
- 8
正解:1番
HI が 1.6 mol できたので反応した H₂、I₂ は各 0.80 mol、残りは各 0.20 mol。K=(1.6)²/(0.20×0.20)=2.56/0.04=64(この反応は分子数が等しく体積が約分される)。「反応量 x の表をつくる」のが平衡計算の王道で、HI=2x を x と誤ると 16 などになる。
弱酸のpH
0.10 mol/L の酢酸水溶液で電離度が 0.010 のとき、この水溶液の pH はいくらか。
- 3
- 1
- 2
- 5
正解:1番
[H⁺]=濃度×電離度=0.10×0.010=1.0×10⁻³ mol/L なので pH=3。電離度を無視して強酸のように pH=1 とするのが最大のひっかけ。「弱酸は cα、強酸はそのまま」と使い分ける。
pHと[OH⁻]
25℃で pH=12 の水酸化ナトリウム水溶液の水酸化物イオン濃度 [OH⁻] はいくらか。水のイオン積を 1.0×10⁻¹⁴ (mol/L)² とする。
- 1.0×10⁻² mol/L
- 1.0×10⁻¹² mol/L
- 1.0×10⁻⁷ mol/L
- 1.0×10⁻¹⁰ mol/L
正解:1番
pH=12 なら [H⁺]=10⁻¹² mol/L で、イオン積より [OH⁻]=10⁻¹⁴÷10⁻¹²=10⁻² mol/L。[H⁺] の値をそのまま答える 10⁻¹² がひっかけ。「pH+pOH=14」を使えば pOH=2 と即答できる。
酸化還元・電池
硫酸のSの酸化数
硫酸 H₂SO₄ 中の硫黄原子 S の酸化数はいくらか。
- +6
- +4
- +2
- −2
正解:1番
H を+1、O を−2 とすると (+1)×2+S+(−2)×4=0 より S=+6。SO₂ の+4 や H₂S の−2 と混同しやすい。「化合物全体の酸化数の和=0」から逆算するのが基本。
過マンガン酸のMn
過マンガン酸イオン MnO₄⁻ 中のマンガン Mn の酸化数はいくらか。
- +7
- +4
- +2
- +6
正解:1番
O を−2 として Mn+(−2)×4=−1 より Mn=+7。イオンでは「和=イオンの電荷」にするのを忘れて+8 側にずれるミスが多い。KMnO₄ が強力な酸化剤なのは Mn が最高酸化数+7 だから、と理由ごと覚える。
塩酸に溶ける金属
亜鉛 Zn と銅 Cu のうち、希塩酸に溶けて水素を発生するのはどちらか。理由も含めて正しいものを選べ。
- Zn(水素よりイオン化傾向が大きいから)
- Cu(水素よりイオン化傾向が大きいから)
- 両方とも溶ける
- 両方とも溶けない
正解:1番
イオン化傾向が H₂ より大きい金属だけが希酸と反応して水素を出す。Zn は H より左、Cu は H より右なので Cu は溶けない。「リッチに貸そうかな…」の語呂で H の位置を必ず押さえる。
ダニエル電池の負極
ダニエル電池(Zn|ZnSO₄水溶液|CuSO₄水溶液|Cu)で、負極として溶け出す金属はどれか。
- 亜鉛
- 銅
- 鉛
- 銀
正解:1番
イオン化傾向の大きい Zn が Zn²⁺ となって溶け出し(酸化)、電子を放出するので負極。電子が流れ出す極=負極=酸化反応、という対応を混同しやすい。「イオン化傾向 大きい方が負極」と覚える。
鉛蓄電池の質量
鉛蓄電池を放電させたとき、両極の質量はどう変化するか。
- 正極・負極ともに増加する
- 正極・負極ともに減少する
- 負極だけ減少する
- 変化しない
正解:1番
放電では両極とも表面に硫酸鉛 PbSO₄ が生成して付着するため、どちらも質量が増える。「溶け出すから減る」と考えるのがひっかけで、Pb²⁺ は溶液中に出ずその場で PbSO₄ になる。「放電=両極 PbSO₄ で増、希硫酸は薄くなる」とセットで暗記。
食塩水電解の陰極
塩化ナトリウム水溶液を電気分解したとき、陰極で発生する気体はどれか。
- 水素
- 塩素
- 酸素
- ナトリウムの蒸気
正解:1番
Na⁺ はイオン化傾向が大きすぎて還元されず、代わりに水が還元されて H₂ が発生する。「陰極だから Na が析出」と考えるのが典型的な誤り。「イオン化傾向の大きい陽イオンの水溶液では水素が出る」と覚える。
白金電極の陽極
硫酸銅(II)水溶液を白金電極で電気分解したとき、陽極で起こる変化はどれか。
- 水が酸化されて酸素が発生する
- 水が還元されて水素が発生する
- 銅が析出する
- 二酸化硫黄が発生する
正解:1番
SO₄²⁻ は酸化されにくいため、代わりに水が酸化されて O₂ が発生する。銅の析出は陰極側の変化なので混同しないこと。「陽極:Cl⁻ があれば Cl₂、なければ O₂(電極がPt・Cのとき)」が判定のルール。
電気分解の計算
硫酸銅(II)水溶液を 0.50 A の電流で 1930 秒間電気分解した。陰極に析出する銅は何gか。ファラデー定数 9.65×10⁴ C/mol、Cu=64 とする。
- 0.32 g
- 0.64 g
- 0.16 g
- 3.2 g
正解:1番
電気量は 0.50×1930=965 C で、電子は 965÷96500=0.010 mol。Cu²⁺+2e⁻→Cu より銅は電子の半分の 0.0050 mol、質量は 0.0050×64=0.32 g。「2e⁻ で Cu 1個」の係数を忘れて 0.64 g とするのが最頻出ミス。
過マンガン酸滴定
硫酸酸性で 0.020 mol/L の過マンガン酸カリウム水溶液 10 mL と過不足なく反応する過酸化水素 H₂O₂ は何molか。MnO₄⁻ は 5e⁻ を受け取り、H₂O₂ は 2e⁻ を放出する。
- 5.0×10⁻⁴ mol
- 2.0×10⁻⁴ mol
- 1.0×10⁻⁴ mol
- 8.0×10⁻⁵ mol
正解:1番
MnO₄⁻ は 0.020×0.010=2.0×10⁻⁴ mol。電子の授受を等しくすると MnO₄⁻ : H₂O₂=2 : 5 なので、2.0×10⁻⁴×5/2=5.0×10⁻⁴ mol。物質量の比を 1:1 と思い込むのがひっかけで、「もらう電子=出す電子」で係数を決めるのが鉄則。
無機入門
アンモニアの捕集
アンモニア NH₃ を実験室で捕集する方法として最も適切なのはどれか。
- 上方置換
- 下方置換
- 水上置換
- どの方法でもよい
正解:1番
NH₃ は空気より軽く、水に非常によく溶けるので上方置換で集める。水上置換は「水に溶けにくい気体」専用なので NH₃ には使えない。「軽い→上方、重い→下方、溶けにくい→水上」の3分類で判断。
ナトリウムの炎色
ナトリウム Na の炎色反応の色はどれか。
- 黄色
- 赤色
- 青緑色
- 赤紫色
正解:1番
Na は鮮やかな黄色を示し、道路のトンネル照明にも利用されてきた。赤は Li や Sr、青緑は Cu、赤紫は K の色で混同しやすい。「リアカー無き K村…」の語呂でまとめて覚える。
黄緑色の気体
黄緑色で刺激臭があり、漂白・殺菌作用を示す気体はどれか。
- 塩素
- アンモニア
- 硫化水素
- 二酸化窒素
正解:1番
Cl₂ は黄緑色・刺激臭で、水道水の殺菌にも使われる。NH₃ と H₂S は無色(刺激臭・腐卵臭)、NO₂ は赤褐色なので色で区別できる。「有色の気体は Cl₂(黄緑)・NO₂(赤褐)・O₃(淡青) くらい」と覚えると強い。
黒色硫化物の沈殿
水溶液に硫化水素 H₂S を通じたとき、酸性条件でも黒色の沈殿を生じるイオンはどれか。
- Cu²⁺
- Zn²⁺
- Al³⁺
- Ba²⁺
正解:1番
Cu²⁺ は酸性でも CuS の黒色沈殿をつくる代表イオン。Zn²⁺ は中性〜塩基性でしか ZnS(白色)を沈殿せず、条件の違いが頻出のひっかけ。「酸性でも沈む=イオン化傾向の小さい金属(Cu、Ag、Pb など)」と整理する。
ハロゲンの酸化力
ハロゲンの単体を酸化力の強い順に並べたものとして正しいのはどれか。
- F₂>Cl₂>Br₂>I₂
- I₂>Br₂>Cl₂>F₂
- Cl₂>F₂>Br₂>I₂
- Br₂>Cl₂>I₂>F₂
正解:1番
酸化力(電子を奪う力)は周期表の上ほど強く、F₂ が最強。だから Cl₂ を KBr 水溶液に通すと Br₂ が遊離する(逆は起こらない)。「上のハロゲンが下のハロゲン化物イオンを追い出す」と実験とセットで覚える。
アンモニアの製法
塩化アンモニウム NH₄Cl と水酸化カルシウム Ca(OH)₂ の混合物を加熱したときに発生する気体はどれか。
- アンモニア
- 塩素
- 塩化水素
- 窒素
正解:1番
弱塩基の塩+強塩基の反応で、弱塩基である NH₃ が追い出されて発生する(実験室的製法の定番)。「塩化〜だから塩素や HCl」と字面で選ぶのがひっかけ。「弱い者は強い者に追い出される」が気体製法の原理。
塩酸で白色沈殿
水溶液に希塩酸を加えると白色沈殿を生じ、その沈殿が光によって黒っぽく変色するイオンはどれか。
- Ag⁺
- Cu²⁺
- Zn²⁺
- Fe³⁺
正解:1番
Ag⁺ は Cl⁻ と AgCl の白色沈殿をつくり、感光性のため光で分解して黒ずむ(写真の原理)。Cu²⁺ や Fe³⁺ は塩酸では沈殿しない。「Cl⁻ で沈むのは Ag⁺ と Pb²⁺」とセットで覚える。
不動態
濃硝酸に浸しても表面に緻密な酸化被膜ができて、それ以上溶けなくなる(不動態となる)金属はどれか。
- 鉄
- 銅
- 銀
- マグネシウム
正解:1番
Fe・Ni・Al は濃硝酸で不動態となり反応が止まる。「硝酸は強い酸化剤だから鉄も溶けるはず」と考えるのがひっかけで、銅や銀はむしろ濃硝酸に溶ける。「手にあるてつ(Fe・Ni・Al)は不動態」の語呂が定番。
NH₃の乾燥剤
アンモニア NH₃ を乾燥させるとき、使用できる乾燥剤はどれか。
- ソーダ石灰
- 濃硫酸
- 十酸化四リン
- 塩化カルシウム
正解:1番
塩基性気体の NH₃ には塩基性乾燥剤のソーダ石灰を使う。濃硫酸や十酸化四リンは酸性なので NH₃ と反応してしまい、中性の塩化カルシウムも例外的に NH₃ と付加化合物をつくるため不可。「乾燥剤と気体は酸・塩基がケンカしない組合せ、CaCl₂×NH₃ は例外」と覚える。